トータルテンボス・藤田「高校野球の監督やりたい」

2014年08月31日 09時00分

高校野球談義に花を咲かせる藤田(右)と片岡氏

【伝説のスカウトと異色対談(後編)】高校野球大好き芸人・トータルテンボスの藤田憲右(38)と、伝説のスカウト・元ヤクルト球団取締役編成担当の片岡宏雄氏(78)による異色対談後編は、今夏の甲子園で話題を集めたあのプレーや、あの選手について。大盛り上がりの“甲子園トーク”はどこまでも続く勢いで――。

 ――トークが盛り上がりすぎて、時間が押してしまいしのびないです

 藤田:構いませんよ!

 ――今大会では東海大四(南北海道)の西嶋投手の超スローボールの是非も議論されました

 藤田:あのボールを見て思ったことは「賢い子だなあ…」と。西嶋君いわく、甲子園では大観衆を味方につけることが大切で、普通、北海道のチームはあまり応援してくれない。しかも東海大四は同じ北海道代表でも北海や北照より人気がない。そこで大観衆を味方につけるには、パフォーマンスが必要だと考えたとか。その話を聞いて、こりゃあ、ハンパねぇ子だなと思いましたよ。

 片岡:あのボール自体は女の子の始球式と同じで、投球術どうこう言うものでもないんだけど…。打者をバカにしたボールで、イライラさせる効果はあるよね。

 藤田:西嶋君にしても、それまでの常識では考えられない、型破りの選手やチームが出てくるのはワクワクしますよ。2000年夏、那覇高校で左の捕手が出てきた時も、すんげえ衝撃でしたもん。

 ――昨夏は花巻東・千葉選手のカット打法もすごかった。やりすぎて高野連に禁止されてしまいましたが…

 藤田:あれをやめさせるのはおかしいですよ。しかも1、2回戦は黙認してたのに、3回戦でいきなり「ダメだ」なんて。ねえ、片岡さん!

 片岡:そうだね。あれは立派な技術ですよ。ちゃんとスイングしてファウルを打てているわけだし、あの技術だけでプロで契約するところがあってもおかしくはない。昔のヤクルトだったら獲ってたかもね。

 ――市和歌山対鹿屋中央戦のサヨナラ劇も話題となりました

 藤田:ああ、同点の9回裏一死一、三塁でセカンドゴロを一塁に投げてしまったという…。

 片岡:あれははっきりしないベンチの指示がダメ。「強い打球なら二塁で併殺を狙い、それ以外ならバックホーム」という指示だったそうだけど、あの場面は「全部バックホーム」ですよ。1点でも余裕があるケースとは違い、1点取られたら負けなんだから。まあ、高校野球はいろいろなことが起きるから、ある意味プロより勉強になるプレーが多いよね。

 藤田:それはありますね。ボクなんかの場合、プロ野球は見ていてもつまらない。8、9回になると抑えの投手が出てきて、普通に抑えちゃうじゃないですか。その点、高校野球は波乱があるほうが普通です。

 ――それから注目された盛岡大付(岩手)の松本投手が、右ヒジ痛にもかかわらず登板し続けたことも議論されました

 片岡:甲子園はこれが怖いよね。ここで無理してダメになってしまう投手の何と多いことか…。去年の安楽(済美=愛媛)や高橋(前橋育英=群馬)もそうだった。

 藤田:ボクが思うことは、昔は国内のプロ野球が最高峰。でも今はメジャーにこれだけの選手が行く時代です。メジャーを視野に考え方を変える必要があるかもしれない。高野連は球数制限を決めたり、次の日の試合に投げられないようにすることを考えないと。これからの時代は今まで以上に必要な投手の枚数が多くなり、指導者も抑えの投手の育て方とか、そういうのが重要になってくるのでは。

 片岡:いやあ、すごいな…。そこまで考えている芸人さんがいることに驚きですよ。

 ――では最後になりますが、今後、高校野球とのかかわり方で考えていることがあれば…

 藤田:ゆくゆくは高校野球の監督をやりたいなあ、と思っています。今の仕事も高校野球をやってたおかげというのもありますし、何かの形で恩返ししたいなと。

 片岡:うんうん、これだけ野球を知っていて情熱を持っている。ぜひとも監督をやってもらいたいね。その時はやっぱり母校で、という感じなのかな。

 藤田:そうですね。地元・静岡の小山高校でできたら、という気持ちはあります。

 片岡:じゃあ、私から高校野球の監督として成功するコツをひとつ。ケンカの強い選手から順番に使っていくといい。負けん気のあるヤツの方が絶対に伸びるから。

 藤田:そ、それは昔の浪商野球にだけ通用するやり方では…。

 片岡:そうやって母校で「広沢2世」を育ててほしいよね。応援してますよ。

 藤田:…。広沢(克実、元ヤクルト、巨人、阪神)さんの母校は栃木の小山高校でしょ! だからオレ、栃木じゃねーし!