赤ヘル代打陣を今も支える“前田魂”

2014年08月27日 16時00分

走者一掃の二塁打を放った小窪

 広島が26日のヤクルト戦(マツダ)に12―6と大勝し、2位阪神に0・5ゲーム差と肉薄した。7点リードから3点差に迫られた7回に代打・小窪が値千金の3点適時二塁打で試合を決めた。今季は代打の成功率が高い赤ヘル打線だが、それを支えているのが“神様”の助言だ。

 

 代打で殊勲打の小窪は「四球の後の初球は狙い目だと思っていた。(代打の)準備はベンチ裏で状況を見ながらしている。難しいと思うとダメなのであまり考えないように」と笑顔で振り返った。今季の代打成績は26打数11安打。4割2分3厘は驚異の成功率だ。

 

 今季の広島は代打策がズバズバ的中する。小窪だけではなく天谷が11打数3安打3四球で出塁率4割2分9厘、広瀬も20打数4安打5四球と代打で勝負強さを見せている。その裏にあるのが昨季、惜しまれつつ引退した前田智徳氏(現野球評論家)の存在だ。同氏は晩年、代打の切り札として活躍。その勝負強さから“代打の神様”と称されたが、最終年となった昨年は出番を待ちながらベンチ裏で代打としての“心得”を後輩たちに説いたという。

 

「『力まずに集中していけ』と言われた。準備の時はバットをブンブン振りたくなるが『それだと力むぞ』と言われたので、あまり振らずに集中することだけを考えている」と金言効果を口にするのは小窪。別の選手の証言によれば、前田氏は「出てくる可能性のある投手の持っている球種をいろいろと頭でイメージしろ」と自らの経験を元にしたイメトレを勧めることもあったという。チーム関係者も「前田のアドバイスが今になって効いてきている」と感心するばかりだ。

 

 存在感が大きかっただけに前田氏なき後の代打起用を心配する声もあった。しかし“前田魂”はしっかりとナインに受け継がれているようだ。