<ズームアップ甲子園>序盤から優位に試合を進めながらもあと1点が遠かった。第96回全国高等学校野球選手権大会決勝戦(25日)で大阪桐蔭(大阪)に3―4で敗れた三重(三重)の先発・エース今井(3年)は「あれだけマウンドで投げられたので良かった。負けてしまったが、強い打線を4点で抑えられて良かった」とうっすら涙を浮かべた。

 大会中、三重ナインは“Vパワーたこ焼き”を食べ続けてきた。初戦の試合後、ナインは宿舎近くの商店街にあるたこ焼き屋に入ると、偶然にもそこは昨春の選抜優勝校・浦和学院ナインが通っていた店。以来、試合が終わるたびに欠かさず通い、店長のおばちゃんから「浦学が優勝した時は部長さんたちがよく来てくれた。だからあなたたちもいけるわよ」と励まされ続けてきた。

 決勝前日(24日)も行くと、お店からラムネがプレゼントされた。開け方を知らなかった中林(3年)は店の人に教えてもらって大喜び。試合でも先制の2点適時打を放つ活躍を見せた。

 最後はあと一歩及ばなかったが「僕らを取り巻いてくれた皆さんに、感謝の気持ちでいっぱいです」(ある選手)。準Vに胸を張った。