トータルテンボス・藤田が夏の甲子園を“総括”

2014年08月30日 11時00分

藤田(右)に乗せられた(?)片岡氏はスカウト時代の選手獲得秘話まで披露した

【伝説のスカウトと異色対談(前編)】第96回全国高校野球選手権大会は大阪桐蔭(大阪)の優勝で幕を閉じた。数々のドラマが繰り広げられた今大会の本紙高校野球取材班に「高校野球大好き芸人」としても知られるトータルテンボス・藤田憲右(38)が緊急参戦。40年以上も夏の甲子園を見続けた伝説のスカウト、元ヤクルト球団取締役編成担当の片岡宏雄氏(78)との異色対談が実現した。2人の“達人”は今夏の甲子園をどう見たのか。とっておきの秘蔵ネタとともに、全2回でたっぷりお届けしよう――。

 ――本日はお暑い中、駆けつけていただきありがとうございます。しのびないです

 藤田:いえいえ、大好きな高校野球のことですから、構いませんよ。

 片岡:早速だけど藤田君は元高校球児なんだってね。

 藤田:小山高校で投手をやってました。

 片岡:おお、小山といえば広沢(克実、元ヤクルト、巨人、阪神)の母校じゃないか。あそこは勉強もできるからな。文武両道というわけか。

 藤田:…。それは栃木の小山ですね。ボクは静岡の小山なんです。

 片岡:ああ、ごめん。静岡の小山は知らない…。

 藤田:ご存じないですか…。

 ――藤田さんは静岡で「落合博満2世」と呼ばれていたほどの選手だったそうですよ

 藤田:…。それはネタでオレの(以前の)髪形が落合福嗣くんに似ているってやつでしょ。高校時代はオレ、アフロじゃねーし! でも当時「静岡の落合」がいたことは事実かな。

 ――といいますと

 藤田:高校3年の夏の大会、ボクは2試合連続1安打完封をやったんですよ。で、3回戦の相手が優勝候補の静岡商だったんですけど、新聞記者に「次はノーヒットノーランですね」とたきつけられて、自分ではできるわけないと思ってたけど「一応狙ってみます」と言ったことが記事になっちゃったんです。で、5回ぐらいまでは抑えたんですよ。でもそのあとバカバカ打たれて「ノーヒットノーランやるんじゃなかったのかよ!」って散々やじられて…。その静岡商に「静岡の落合」と呼ばれていた強打者がいたんです。

 片岡:でも2試合連続1安打完封は大したものだよ。野球は続けようとは思わなかったの?

 藤田:元プロの方に「手も脚も長いし、やめるのはもったいないよ」と言われたこともあったんですけどね。大学の先輩には片岡さんもよくご存じの度会(わたらい)さん(博文、元ヤクルト)がいましたけど、ボクは大学で野球部には入りませんでした。

 片岡:度会か…。あいつは神宮外苑で草野球やってるところをオレがスカウトしたんだよな。

 藤田:えっ、そうだったんですか!

 片岡:知り合いから「今、隣のグラウンドで軟式野球やってる選手がいるからちょっと見てくれないか」と言われてね。とにかく元気がいい選手だったから、普段の硬式野球部ではどんな練習してるか、小川(現ヤクルト監督、当時はスカウト)を連れて見に行ったんだよ。それで面白いから獲ってみようかと…。藤田君も神宮外苑で草野球やってたら、ヤクルトに入ってたかもしれないね(笑い)。

 藤田:へえー、スカウトってそんなふうにもやるもんなんですね。

 片岡:逆に甲子園でのプレーだけでは決められないというのもあるよ。甲子園では実力以上の力を出す選手が多い半面、普段の実力が出せない選手も多い。とにかく練習を見ることが基本だね。

 藤田:銀座だけでなく、中野のキャバクラにも行けということですね。

 片岡:…。ま、まあそういうところかな。

 

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