ソフトバンクは23日のロッテ戦(QVCマリン)に5―1で快勝。先発・中田が今季初完投勝利となる9勝目をあげた。7四球を与える荒れ気味の投球だったが、被安打は3本のみ。“暴れ馬”らしい投球で相手打線を封じた。前回登板のオリックス戦(16日、京セラ)では突然の乱調で悔しいKO。指揮官からも厳しい言葉を向けられていたが、堂々たるマウンドで“失地回復”を果たしてみせた。

 中日からFA移籍の中田が移籍後初完投勝利を飾った。8回までスコアボードに0を並べ、9回二死から岡田に適時三塁打を浴びて完封勝利こそ逃したものの、堂々たる投球だった。

 首脳陣の期待に見事に応えた。前日は総力を尽くしての延長戦。試合前の加藤投手コーチは「8月も終盤だし、ローテーションの柱としての投球を期待している。昨日は延長戦で中継ぎ投手も総動員しているから、少しでも長いイニングを投げてほしい」と話していた。

 そんな中で球数が100球に到達したのは8回一死。風の影響もあって7四球と荒れ気味の投球だったが、好調・ロッテ打線を3安打に抑え込んだ。“暴れ馬”の本領発揮で9勝目だ。救援陣を休養に持ち込んだ力強い投球。中田も「一人で投げきれたのでよかった。こういう形で完投できていい自信になった」とニッコリだ。自身7年ぶりとなる2ケタ勝利にもリーチをかけた。

 前回登板は8月16日のオリックスとの首位攻防戦。悔しい投球となった。リードをもらいながら4回に4四死球を出すなど突然の乱調で5回途中に降板。チームは痛恨の逆転負けを食らった。指揮官からも「3点もらった後で投球が変わるようではな。自分でリズムを崩してはいかんだろ」と厳しい声を向けられた。

 この日も打線からいい形での援護をもらった。初回一死二塁から3番・内川がチーム単独トップとなる14号2ラン。さらに4回には、この日スタメンマスクをかぶった鶴岡が一死一、二塁から逆方向の右中間を深々と破る走者一掃の適時三塁打で援護してもらった。「前回も序盤でいい得点をもらっといて、追いつかれてしまった。2回同じことをしてはダメだと思って気合を入れていきました」(中田)。前回の“失地回復”に十分すぎる投球だった。

 これで2位・オリックスとのゲーム差を3・5に広げたソフトバンク。ラストスパートに向けて収穫も大きい中田の快投となった。