G川口コーチが怒声「澤村、いいかげん大人になってくれよ」

2014年08月22日 16時00分

6回、バレンティン(左)に一発を浴びた澤村

 巨人が21日、延長11回に及んだヤクルト戦(神宮)を6―5で制し、首位の座を死守した。それでも試合後の首脳陣は6回途中4失点の先発・澤村拓一(26)への不満を爆発させた。本人は成長をアピールしたものの、そもそも今回は先発としての“最終試験”だったはず。危機感が希薄な右腕に、周囲はイライラを募らせている。

 

 約1か月ぶりに回ってきた先発機会。澤村は川口投手総合コーチから事前に「ダメなら即二軍」と告げられていた。信頼を取り戻すには相当なアピールが必要だったが、立ち上がりからベンチは表情を曇らせる。初回から制球が定まらず、2四球1安打であっさり先制を許し、36球を費やした。

 

 その後はバックの好守にも助けられ、5回まで無安打投球。だが6回に悪癖が顔をのぞかせる。二死一塁で最も警戒していた主砲バレンティンに、魔が差したようなど真ん中への直球。これを左翼席最上段まで運ばれてたちまち1点差となった。

 

 続く雄平にも安打を許すと、ここで交代を告げられた。球数はまだ98球、許したのは4安打だけ。指揮官の迷いのない決断は、右腕への信頼のなさゆえでしかない。

 

 試合後の本人と首脳陣のコメントには、温度差がくっきり表れた。澤村はバレンティンへの1球については「今日の投球で一番反省しないといけない」と語ったが「先頭打者は出したけど、2回以降は良かった。右打者のアウトローへはいつでも投げられる」と進化を強調すると「次の登板ではしっかり締めていきたい」と前を向いた。

 

 だがそもそも今回は、次回が保証されない中での背水登板だったはず。「いいかげん、大人になってくれないと困るんだよ!」。クラブハウスへの道を引き揚げながら、川口投手総合コーチが怒声を響かせた。

 

「力任せに勝負しているだけ。あそこ(バレンティンに被弾した場面)は本塁打が一番いけないんだ。中途半端に勝負するんじゃなく、避ける方法はあったはず。試合の流れ、状況を読んでほしいよ。いつものやられるパターンじゃないか!」

 

 次回の登板機会について同コーチは「監督に聞く」と言葉を濁したが、スタッフ間では「先発で使うのは危険」と、昨季終盤に実績を残した中継ぎへの転向を検討すべきとの声も上がり始めている。

 

 菅野が復帰すれば、澤村がいなくても先発の数は揃う。「こっちにも使うリスクというものがある」(川口コーチ)。首位から陥落するような事態になれば、そのとき澤村に「次のチャンス」は巡ってくるのかどうか。