型破りな“合議制”日本文理ナインは采配にも参加

2014年08月19日 16時00分

日本文理は大井監督(右)とナインの“合議制”で3回戦進出を決めた

【ズームアップ甲子園】第96回全国高校野球選手権大会第8日(18日)第2試合で日本文理(新潟)が東邦(愛知)を3―2で下した。準優勝した2009年以来の夏2勝を挙げた、このチームには独特なベンチワークがある。監督が一部の選手起用を、選手サイドに委ねるスタイルがとられているのだ。その背景と効果は…。

 

 2点を追う日本文理は6回に東邦の1年生右腕・藤嶋を攻略した。4安打で3点を奪って逆転。エース・飯塚(3年)も踏ん張って点を許さず、勝利をつかんだ。大井監督は「勝負は7回以降と思ったが、予想したよりも早く打線がつながった」と笑顔で話した。これで準優勝した2009年以来5年ぶりの3回戦進出だ。

 

 そんなチームが取り入れているのが“合議制”。「打順や投手交代などの大まかな部分は監督が決めますが、代打、代走、守備交代などは基本的に選手の意見を取り入れた上で決めています」(ある選手)。大井監督はそんな場面になると、まず主将の池田(3年)と捕手の鎌倉(3年)に相談。次に2人が他の選手の意見をまとめる。それを受けて監督が選手起用を決めるシステムだ。

 

 この日は6回に山口(2年)に代わってレフトに竹石(3年)を出場させようとした大井監督に対し、周囲の選手が「竹石は守備範囲は広いが、今は足の状態が芳しくない」と指摘し、竹石起用が見送られた。1回戦の大分(大分)戦でも選手側の意見で代走・山口が起用されている。

 

 他の高校とはあまりに違うスタイル。「普通は監督が絶対なのに、選手にも意見を求めることにビックリしました」と当初はナインも戸惑ったそうだが、72歳の大井監督への気遣いもあって現在の形に落ち着いたという。「監督は試合中、ピンチになるとかなり焦ってしまい、慌てることがある。年齢も年齢だし僕らで少しでも監督の負担を減らしたいと思いました」(ある選手)

 

 この“代理采配”でナインにも良い影響が出た。「監督に一方的に言われてやるよりも、自分たちで考えることで、より強く、自分たちで野球をやっている感覚があります。結果として頭を使って野球をやる習慣ができました」(別の選手)。まさにベンチ全員野球。悲願の新潟県勢初Vに向け、日本文理ナインは燃えている。