琉球のライアン山城 激投の陰にシルバー軍団

2014年08月18日 16時00分

14三振を奪った「琉球のライアン」山城

【ズームアップ甲子園】第96回全国高校野球選手権大会第7日(17日)第1試合で沖縄尚学(沖縄)が3―1で作新学院(栃木)に競り勝ち、春夏通じて甲子園20勝目をマークした。米大リーグの名投手、ノーラン・ライアンをほうふつさせる左足を肩まで振り上げる独特なフォームのエース・山城(3年)が3安打1失点、無四球で完投勝利。そんな山城ら沖尚ナインは“シルバーサポーター”からパワーをもらっていた。

 

「琉球のライアン」山城は、キレのある直球を武器に14奪三振。昨年の夏から3季連続で甲子園のマウンドを踏む右腕は「春からの成長を見せようと戻ってきた」ときっぱり。比嘉監督も「粘り強い投球をしてくれた。初回にホームランを打たれたが、いい意味で開き直った表情だったから大丈夫だと思った。甲子園で最高のピッチングをしてくれた」と目尻を下げた。

 

 そんな山城らナインの背中を強力に後押ししているのが、4日の大阪入り後、宿舎近くの公園で出会ったお年寄りたちだ。抽選で初戦が午前8時開始の第1試合に決定して以来、ナインは「体がしっかり動くように」と午前3時半に起床し、4時からの早朝散歩を日課とした。その行き先の公園に約50人のお年寄りがラジオ体操をするために集まっていた。

 

「毎日、そこで顔を合わせるうちに、お年寄りの方たちとも打ち解けて『沖尚、頑張れよ!』とか声援をもらえるようになったんです」(赤嶺拓=3年)。試合本番の3日前には長さ約2メートルの書道用紙に横書きで「沖縄尚学 頑張れ!」と大きく書かれ、その文字の周囲には公園に集うお年寄り一人ひとりのメッセージが記された“激励の書”をもらったという。

 

 これにナインは「感動しました」と口を揃える。「いろいろな色のペンを使って何人ものお年寄りの方が寄せ書きしてくれていた。『初戦作新学院 相手に不足なし』なんて書かれていたのもありました。まさか見知らぬ大阪で、これだけ応援してもらえるなんて思わなかった。人の気持ちの温かさとか、やさしさに触れて元気をもらいました。まずは今日1勝できて、いい報告ができます」

 

 大阪のシルバー軍団からパワーを得た沖尚ナインの目標は、もちろん全国制覇。「この夏の主役になりたい思いでマウンドに上がっている」と山城は言い切った。