ソフトバンクに非常事態か――。前日15日にエース・摂津が右手に打球を受けて緊急降板。16日に登録抹消が決定した。そんな中で行われたこの日のオリックス戦(京セラ)、先発した中田は5回途中4失点で粘れず。打線も苦手の西から4点を奪ったが、主導権を握ったはずの試合はシーソーゲームとなった。先発陣が粘れない上にエース不在となれば、首位といえども苦しい。秋山ホークスはこの危機を乗り越えられるか。


 重苦しいムードで始まった試合だった。前日15日のオリックス戦(京セラ)でエースの摂津が右手に打球を受けて負傷。この日の試合前練習に参加、新井チーフトレーナーも「昨日(15日)よりも腫れが引いている。(回復の)見通しは悪くない」と軽傷と説明したが、登録を抹消された。

 郭投手コーチは「深刻ではない」と話し、1度の登板回避で復帰できると見通しを語ったが、今季8勝(5敗)を上げているエースの離脱がチームに与える衝撃は小さくない。

 それでも打線はこの日行われた首位攻防第2ラウンドで、苦手のオリックス・西を攻略。2011年からの対戦打率が試合前まで8分6厘で西と相性の悪い内川が初回に右前適時打。内川も「今季、西から初安打です」と笑顔。4回にも細川、明石の適時打で3点奪うなど“楽勝”ムードかと思われた。

 しかし、4―2と2点リードの5回に中田が先頭・糸井に左翼へ本塁打を浴びて1点差に迫られると、ズルズルと崩れていく。続くペーニャ、T―岡田に連打されたところで万事休す。中田はマウンドを降りた。2番手の柳瀬も踏ん張りきれずこの回に同点とされる。

 さらに6回だ。同点の場面で秋山監督が3番手に送り込んだのは左腕の森福。その森福が先頭・平野恵に左前打と安達の送りバントで一死二塁のピンチを背負うと、糸井に左前適時打を浴びてあっさりと逆転されてしまった。

 直後の7回に柳田の適時打で再度、試合を振り出しに戻したソフトバンクだが、8回に2イニング目の登板となった4番手・森が力尽きた。二死一、二塁からペーニャに代わって途中出場の鉄平に二塁打を浴び、万事休す。余裕を持って迎えたはずの首位攻防戦で連敗を喫し、ゲーム差を2に縮められてしまった。

 まだ首位を守っているとはいえ、先発陣が粘れなければ中継ぎ陣の負担は増すばかり。ここで迎えたエース不在という試練を、秋山ホークスははねのけられるか。