山なり超スローボール“もう一つの効果”

2014年08月15日 16時00分

8回裏、西嶋(右)は打者・清水に超スローボール(矢印がボール)を投げた

【ズームアップ甲子園(14日):東海大四(南北海道)6―1九州国際大付(福岡)】甲子園にニュースター誕生だ。168センチ、59キロと小柄な東海大四のエース・西嶋(3年)が、九州国際大付の強力打線を相手に被安打5、奪三振12、失点1と見事な投球で勝利をつかんだ。

 

 130キロ台後半ながら制球力抜群の直球とキレのあるスライダーを軸にした153球の力投で、4万7000人の観衆が「おーっ」とどよめいたのはプロ注目の強打者、3番・古沢(3年)と4番・清水(3年)に計4球投げた超スローボールだった。まるで人気漫画「ドカベン」に登場する坂田三吉の通天閣投法のように、投じたボールは高々と上がり、大きな弧を描いて捕手のミットへ収まった。

 

 西嶋がこの超スローボールに取り組み始めたのは昨秋のこと。投球の幅を広げるため、遊びで始めたのがきっかけだ。捕手の上野(3年)は「使えないだろう」と思ったそうだが、春先に西嶋が投げたがり、使ってみたら効果があった。選手によると、相手打者のタイミングを外すだけではなく「(西嶋は)力んでしまった時にスローボールを投げて力みを取っている。それでフォームも修正しているんです」という。

 

 一気にスタンドを魅了した西嶋は「(投球は)100点。甲子園を楽しめた。自分のペースでできました。優勝が目標なんでここで満足せずに頑張りたい」と満面の笑み。“魔球”の唯一の難点は試合前の甲子園の室内練習場では天井にぶつかってしまうため試し投げができないことらしいが、2回戦・山形中央戦でも注目を集めるのは間違いない。