朝井秀樹氏が聞いた「阪神逆転Vシナリオ」

2014年08月14日 16時00分

今回は首位浮上に失敗した和田監督(中)だったが…

 0・5ゲーム差と肉薄して迎えたGT首位攻防第2ラウンド(13日、東京ドーム)で、阪神は1―5と完敗を喫した。今季初となる単独首位の座を奪うことはできなかったが、もちろん虎ナインは2005年以来9年ぶりのリーグ優勝に虎視眈々だ。そこで本紙評論家の朝井秀樹氏(30)がPL学園の先輩でもある福留孝介外野手(37)ら主力ナインを直撃。「虎の逆転Vシナリオ」を聞き出した。

 

【朝井秀樹のおじゃまします】どうも、アサイです! 今回は首位の座が入れ替わる可能性もあった緊迫の決戦におじゃましました。結果は巨人が完勝して、首位の座をがっちりとキープ。試合内容も阪神は先発の岩田クンがいきなり初回に先頭打者本塁打を浴びるなど2回までに4失点。守備でも2回に二死一、三塁から一塁走者の盗塁を刺そうとした新人捕手・梅野クンの二塁悪送球で三塁走者の生還を許してしまいました。打線も巨人先発の小山クンを攻略できず攻守に精彩を欠きました。

 

 一方の巨人は阿部さんのファインプレーやセペダの特大本塁打が飛び出すなどノリノリ。12日の初戦の戦いぶりを考えたら追い詰められた巨人の方が重苦しい空気になってもおかしくないのですが、まったく逆のムードでした。

 

 こんな意外な展開になったのは、阪神ナインが「8月勝負」を強く意識しすぎたことが原因かもしれません。試合前に、福留さんは今後のペナントレースの展望についてこう話してくれました。「今、巨人は眠っているだけ。もともと破壊力はすごい。一度、起こしてしまったら本当に怖いチームになる。今のうちにしっかりと勝っておかないといけない」

 

 ベテランの関本さんの考えも「今はウチの方が状態がいい。チームの雰囲気も乗っている感じだから、この時期に何とか寝ている巨人を叩いておきたい」。他の選手に聞いても同じ答えが返ってきました。

 

 普通に考えれば9月がペナントレースの本当の勝負です。でも、阪神の選手は巨人の底力のすごさを知っていますし、必ず9月にその力を発揮してくると見ているのです。だからリーグ優勝するためには、この3連戦と26日からの3連戦(東京ドーム)が大事。とにかく巨人の調子が上がらない8月のうちに首位に立って、できるだけリードを広げたい。そして、何とか9月以降の巨人の猛追を振り切る。これが阪神のV構想です。

 

 また、阪神ナインはロペスの存在を非常に気にしていました。現在は阿部さんが一塁を守っているためスタメンから外れていますが、選手は「ロペスがいなくて助かっている」と口を揃えています。確かにロペスの13日現在の打率は2割3分8厘。でも、阪神戦では打率3割4分5厘、13打点、5本塁打です。特に開幕カード3試合では9安打10打点2本塁打の大暴れ。この時の印象が強烈に残っているようです。阿部さんが捕手に戻ってロペスが先発出場すれば、さらに戦いにくくなる。こういう予測もあって何とか今のうちに勝っておかないといけないという心境になっているのでしょう。

 

 実際、ボクも巨人在籍時に9月に入った時の巨人ナインの変わりぶりに驚いたものです。試合前のロッカールーム、練習からピリっとした独特の雰囲気が漂います。原監督も“勝ち方”を熟知した指揮官です。この「9月の巨人」の怖さを阪神ナインも分かっているからこそ“逃げ切りV”という構想を描いているのでしょう。猛虎軍団の「8月攻勢」に注目です。(本紙評論家)