小松大谷のために!本田先輩のために!負けられない星稜

2014年08月14日 07時00分

逆転で初戦を突破した星稜ナイン

【ズームアップ甲子園】星稜(石川)が静岡(静岡)に5―4で逆転勝ちし、初戦を突破した。1998年以来、16年ぶりの夏の甲子園白星。県大会決勝の0―8から9回裏の“ミラクル大逆転サヨナラ勝利”で注目されているが、ナインにはさまざまな思いがある。

 

 2点をリードされた7回、敵失と中村(3年)の左前適時打で同点。8回には一死二塁から岩下(3年)の右中間二塁打で勝ち越しに成功した。石川県大会決勝の小松大谷戦で9回裏に8点差をひっくり返す歴史的サヨナラ勝ちを収め、甲子園切符をつかんだ勢いそのままの初戦勝利。林監督は「本当は先制して逃げ切るのがウチの野球なので、ミラクルは起こしたくないのですが…。光栄だけど失点しないことが大事。もし、そういう展開になれば機運は高まってきていますけど」と謙遜した。

 

 星稜ナインの思いは強い。歴史的敗北を経験させてしまった小松大谷に対してだ。星稜の宿舎の食堂には、決勝戦の試合後に悔しがる小松大谷ナインのA4サイズの写真が2枚飾られている。隣には小松大谷ナインが保護者や支援者から送られた千羽鶴も…。「小松大谷の分まで戦え」と林監督が用意したものだ。

 

 ある選手は「小松大谷のためにも負けられない。大谷の選手から『勝ってくれ』と頼まれている。僕らが勝つことで大谷の選手も喜んでくれる。写真は毎日、みんなが見ている」と意気込む。

 

 林監督は小松大谷戦のウイニングボールをかばんにしのばせ、ナインも宿舎で毎日、試合のビデオを見ている。星稜のミラクル勝利に浸るのではなく、敗者の屈辱を胸に刻み込むためだ。

 

 星稜ナインのモチベーションは、それだけではない。サッカーW杯ブラジル大会で評判を落とした同校OBの本田圭佑(28=ACミラン)の存在だ。本田はW杯前に「優勝する」と宣言したものの、結果は3戦2敗1分けで惨敗。1次リーグ敗退で日本中の期待を裏切った。

 

 ナインも朝早くから応援しただけにガックリだったが、日本中から本田への失望の声が上がったとあっては黙っていられない。このままでは星稜のこけんに関わるとあって、ナインは「本田先輩のイメージをアップさせてみせる。野球部とサッカー部とは、もともと仲がいいですからね。競技は違いますけど勝って名誉を回復します。僕らは不言実行で行きます」と意気込む。

 

“ミラクル”ナインが星稜の看板の輝きを取り戻すべく、小松大谷とともに頂点を目指す。