<ソフトバンク4-3日本ハム(9日)>ソフトバンクは9日、日本ハム戦(ヤフオクドーム)の延長10回、4―3でサヨナラ勝ちし、今季初の7連勝を飾った。勝利目前の9回、3点差を追いつかれるイヤな展開も、10回一死一、三塁のチャンスに、3年目・塚田が代打で犠飛を放ち、劇的勝利を決めた。これで鷹軍は球宴後、14勝3敗で6カード連続の勝ち越しとなり、貯金は25にまで膨らんだ。この勢いで悲願のVへと突っ走る。

 3点差を追いつかれ、延長戦にもつれ込んだ試合。最後に勝利を決めたのは、意外な男のバットだった。10回一死一、三塁。ここで秋山監督が打席に送ったのは3年目の塚田。今季、一軍に初昇格し、ここまで2打数無安打。それがここでは宮西の初球を思い切って振り切り、打球はセンターに高々と舞い上がった。ヒットやホームランにはならなかったが、飛距離十分のサヨナラ犠飛となった。

 もちろんプロ初打点。お立ち台に上がった塚田は「これだけホームの人に応援してもらって最高です! 僕が決めてやると思って打席に入って振り抜きました。まだ一軍に上がってヒットを打ってないので、こんな形でヒーローインタビューに立たせてもらって恥ずかしいんですが、うれしいです」と喜びを爆発させると「3年目の塚田正義です。下の名前は孫正義オーナーと一緒です」と自己紹介で締めくくった。

 イヤな流れだった。9回に4年ぶりの完封勝利を目前に控えた中田に悪夢が待ち構えていた。先頭・陽の当たりを三塁手・明石が後ろにそらして痛恨の失策。続く中島卓は打ち取ったが、小谷野に右前打で続かれ一死一、三塁のピンチを迎えた。ここで4番・中田に左中間を破られる適時二塁打を浴びて無念の降板となった。なおも一死二、三塁から、代わった守護神・サファテが稲葉に中前への2点適時打を浴びて同点に追いつかれてしまった。

 中田は8回を投げ終えた時点で2安打1四球の無失点。日本ハム打線に付け入る隙を与えず、5回までは一人の走者も出さないパーフェクトピッチングだった。それだけに、最終回の投球が悔やまれる。

 追いつかれて敗れていたら大きなショックとなるところだったが、塚田が一振りでチームを救った。

 これで破竹の7連勝。球宴後の6カードをすべて勝ち越し、貯金は今季最多の25となった。鷹の勢いはもう止まらない。