巨人・阿部に捕手限界説を直撃「世代交代受け止めている」

2014年08月10日 07時10分

苦境に立たされている阿部が現在の心境を語った

 もう捕手としては限界なのか。巨人・阿部慎之助捕手(35)が正念場を迎えている。なかなか上向かない打撃に加え、5日のDeNA戦(新潟)では配球面の問題が指摘され、屈辱の懲罰交代。“捕手失格”ともとれる一塁手としての出場を余儀なくされ、不慣れなポジションでまずいプレーを連発している。そんな悩める主将を本紙評論家・前田幸長氏がズバリ直撃。胸中に迫った――。

【前田幸長 直球勝負】最近、慎之助が精彩を欠いている。打撃面はもちろん、捕手としてもそう。7日には1年ぶりに一塁を守ったが、久しぶりとはいえ拙守を連発した。そこで真っ先に聞きたかったのは「捕手・阿部」としての思いだった。5日の試合ではリード面のまずさから途中交代。一方で代わったルーキー・小林の評価は日に日に上がっているのが現状だ。まずリード面に関しては「偏ってしまっていた」(阿部)と、反省している様子だった。慎之助の配球で打たれるケースを振り返ると、球種やコースの選択が単調になるというより、打者一人ひとりに前の打席と同じような配球パターンを続けてしまうところがあった。誰かに指摘されたわけではないようだが、本人がそれに気付き反省していた。

 そして気になるのは“世代交代”。自らのポジションを脅かしかねない存在の出現についてズバリ聞いてみると「それは自分でも感じています。(世代交代は)必ず誰しもくるものだと思いますし…受け止めていますよ」。この淡々とした様子は正直、意外だった。以前、慎之助を取材したときには“一塁コンバート説”を完全否定し「生涯捕手」を明言していた。それだけにもっと強気な言葉が出ると思っていたからだ。

 さらにはこんなことも明かしてくれた。「一塁を守っていることに(周囲は)『慎之助のプライドが傷つけられている』と感じているようなんですね。捕手に対するこだわりがないわけではないけど、僕は別に気にしていないんですよ。だって(一塁での出場が)許せないのであれば試合に出てないでしょ?」。周囲が気にするほど“捕手・阿部”に執着せず、むしろ試合に出続けることへのこだわりが強くなっているのでは、と感じずにはいられなかった。

 実際、この日(8日)の試合は休養が予定されていたそうだが「(拙守を連発した)昨日のミスがあったから、借りを返すために『出たい』と言いました」(阿部)。こんなところにも慎之助の出場することへのこだわりと意地を見た気がした。

 もう一つ「打者・阿部」についても責任を感じていた。打撃フォームを変えたりと工夫はしているそうだが、彼が力説していたのは“基本に立ち返る”ことだった。

「取り組まないといけないのは、打席に入る前に、しっかりバットを振るとか。そういうところをやらないと」(阿部)

 年齢を重ねると、どうしても「まあ、いいか」という思いが先立ってしまい、準備をおろそかにしてしまいがちになる。不調だからこそ、原点回帰が重要と考えているのだろう。

 世代交代の波と、隠し切れない心身の限界にも直面している慎之助。勝負どころとなる8、9月をどう乗り越えてくれるのか、これからも注目していきたい。(本紙評論家)