巨人が6日のDeNA戦(横浜)にも2―6で敗れ、3連敗。投手陣が15安打のメッタ打ちで、打線は6安打で2点を返すのが精一杯で、ここ数年、カモにしてきたDeNAとの今季対戦成績は、ついに6勝6敗のタイとなった。そんな元気のない巨人に、対戦相手のDeNAサイドから聞こえてきたのは――。

どちらが首位のチームなのか、わからない戦いぶりだった。頼みの先発・杉内は2回に多村の2ランなどでいきなり3点を失うと、結局は6回途中12安打5失点でKO。打線は亀井、阿部、セペダのクリーンアップが合わせて2安打と振るわず、最後まで見せ場を作れなかった。

 セの覇者らしからぬミスも出た。前日も捕球ミスを連発した左翼セペダだが、この日は多村が放ったライナー性の打球に目測を誤ってなぜか後退。バンザイしながらなんとかキャッチしたが、そのコミカルな動きには、打った多村も一塁へ走りながら思わず吹き出していたほどだ。

 いいところなしの敗戦にも原監督は淡々と「まだまだこれから。また明日から、リスタートというところですね」とコメントしたが、勝ったDeNA・中畑監督は大ハシャギだ。今季の対戦成績が五分になったことに「ビックリですねぇ~」と両手を広げて驚いたポーズをして「明日も勝ちます。奇跡を起こしていきましょう!」と声を張り上げた。

 昨季の対戦では、巨人が18勝5敗1分けと圧倒した。これまでは完全に見下ろしていた相手と、今は立場が逆転している。試合後、勢いに乗るDeNAサイドからは、元気のない巨人を“心配”する声が相次いだ。

「ウチがどうこうではなくて、巨人の様子が変ですよね」と首をかしげたある主力は「向こうのベンチを見ていると、雰囲気が悪く見えますよ。首脳陣と選手がうまくいっていないんじゃないですかね」と指摘した。

 またあるコーチは「らしくないというか、まとまりなく見えるよね。敵ではあるけど『大丈夫なの?』って感じだよ」。別のコーチはさらに厳しい言葉で「今の巨人が強いか弱いか。はっきり言えば、弱い」と断じた。

 DeNAにここまで言われたら巨人も黙っていられないはずだが…。今のGナインには言葉を返す元気もない。「実際に勝てないんですから、何を言われても仕方ないですよ…」というだけだ。

 投打は一向にかみ合わず、故障者も出始め、チームの空気はどんどん重くなるばかり。この日は阪神が敗れたため1・5差は変わらずだったが、こんな様子では首位の座を明け渡す日も遠くはなさそうだ。