<西武3-11ソフトバンク(5日)>一度、火が付くと止まらない。ソフトバンクが5日、西武戦(西武)で猛爆を浴びせて圧勝した。2点を先制されたものの打線が3回に同点とし、終わってみれば2桁安打でレオ投を圧倒。キッチリと白星をモノにした。3連勝で首位街道をひた走る若鷹軍団には“野戦病院化”のマイナス要素を吹き飛ばす強みがある。

 やはりホークス打線の勢いはすさまじい。2点を追う3回。それまで、やや打ちあぐねていた相手先発・牧田へ一気に襲いかかった。中村の右越え適時二塁打で1点を返すと、なおも二死三塁から主砲・李大浩の左前適時打ですかさず同点。こうなると、もう鷹のペースだ。5回には二死から内川、李大浩が連続安打で出塁し、一、二塁の好機。ここで柳田の「打ったのは外から入ってくるカーブ。反対方向にいい感じで打てた」という左翼フェンス直撃の適時三塁打で、2点の勝ち越しに成功した。

 そして6回には先頭の明石が右翼席へ、今季1号ソロを叩き込んだ。チームの3点リードを呼び込む貴重なアーチとなった。8回には中村の適時内野安打、満塁から走者一掃となる内川の適時二塁打で4点を追加。9回にも金子が左前へ適時打を放つなど、さらに2点を入れ、大きく突き放した。

 打線の強力な援護によって、立ち上がりはピリッとしなかった先発のスタンリッジも徐々にペースを取り戻していった。キレのあるスライダーを主体に変化球を駆使しながら粘りの投球術を見せ、西武打線に追加点を許すことなく7回を投げ、初回の2失点のみにとどめた。

 これでチームは3連勝で貯金21。リーグ首位を快走しているとはいえ、故障者続出のチーム状況を見れば、決して万全とは言い切れない。2日の日本ハム戦(札幌)で死球を受けた本多が、左手第4指基節骨亀裂骨折で全治6週間の診断。そしてチームのムードメーカー・松田も右手人さし指末節骨骨折で現在も二軍でリハビリを強いられている。相次ぐ主力野手陣の長期離脱はペナントレースが佳境に近づく中で、本来ならば大きなマイナス材料だ。

 それでも若武者・柳田やマルチプレーヤーの明石が、この日のように要所で「一本」を放てるのが、今季のホークスの強み。ナイン全員が一丸となって穴を埋め、新たなストロングポイントを次々とつくり出している。