川口コーチが明かす「菅野抹消の舞台裏」

2014年08月06日 06時30分

右手中指を気にする菅野

 巨人の菅野智之投手(24)が4日、出場選手登録を抹消された。球団発表によると理由は「右手中指の腱の炎症」。ここまで実質的な投手陣の大黒柱としてチームをけん引してきた右腕の復帰が長引くようなら、日本一奪回を目指すチームにとって大打撃となる。そこで本紙は川口投手総合コーチを直撃。これまで隠されていた舞台裏が明らかになった。

 ここ最近の不調には、やはり原因があった。菅野は7月16日のヤクルト戦の5回に二ゴロを放った際、右手中指を痛めたのだという。その試合は8回まで投げて1失点に抑えたが、球宴明けの中日戦(同25日)では5回途中8失点と大炎上。1日の広島戦は6回2失点に抑えたが、球のバラつきが目立った。その間も菅野は「言い訳はしたくない」と言い続けたが、実際は指に異変を感じながら無理をして投げ続けていたわけだ。

 菅野はこの日、ジャイアンツ球場に姿を見せ、杉内らDeNA戦に臨む先発陣とともにキャッチボールを行った。穏やかな表情からはどこかに異常を抱えているようには見えなかったが、休養明けでも指の違和感は消えなかったのだろう。練習後に病院へ直行した。

 球団からは「右手中指の腱の炎症」という診断結果が発表されたが、故障の程度はわからない。そこで本紙は、菅野の診断結果を待って新潟入りした川口投手総合コーチを直撃。今になって登録抹消を決断したのはなぜだったのか。すると同コーチは「夏休みを与えたんだ」と切り出し、事情を明かした。

「痛めていたのは知っていたが、彼はケガに強い子。6回ぐらいなら抑えてしまう。我々が投げてくれと言えば、まだ投げたと思うよ。でもこれ以上は投げ続けても、おそらく良い結果は出ない。ケガに強いのは一流投手の条件でもあるけど、今回は場所が指。球界を背負って立っていく投手を潰してはいけない。大事になる前に我々が決断しなくてはいけなかった」

 菅野は最短で14日の阪神戦で再昇格可能となるが、復帰に関しては慎重に見極めることになる。川口コーチは「まずは10日間様子を見てから。場所が指だから結果的に14~15日かかるかもしれない。でも仮に1か月かかったとしても、勝負はまだ先。抹消しない選択もあったが、それでは本人も気が焦る。この時期に抜けるのは正直痛いが、一番怖いのは長期離脱だから」と語った。

 8月は4度の6連戦が組まれており、うち2位阪神と6試合、3位広島とは3試合が予定されている。先発陣が手薄な状況でエースの復帰が長引くようだと、なんとか守ってきた首位の座も危うくなる。だが、シーズンを棒に振るような長期離脱となれば、それこそ致命傷となりかねない。最近は打線の不振でただでさえ厳しい戦いを強いられている。果たしてエースが帰ってくるまで持ちこたえられるのか。