巨人が広島に快勝 阿部は久々お立ち台で「最高でーす」

2014年08月03日 11時12分

6回、勝ち越しの10号2ランを放った阿部

 眠れる主砲のバットから久々に快音が響いた。巨人・阿部が2日の広島戦(東京ドーム)の6回に相手のスーパールーキー大瀬良から決勝の10号2点本塁打を放ち、チームを3―1の逆転勝ちに導いた。女房役の援護を受け、6回1失点粘投の内海哲也はようやく今季2勝目。不振の投打コンビが、崖っ縁で存在感を示した。

 

 

 鳴りを潜めていた重量G打線が6回、突如火を噴いた。広島のルーキー大瀬良に対し、打線は5回までわずか2安打。先発の内海が5回に先制を許し、重苦しい空気が漂い始めた直後だった。


 まず露払いを務めたのは先頭の坂本。甘く入ってきた失投を見逃さず、赤く染まった左翼席中段へ8号同点ソロをぶち込んだ。一死後、亀井が続く。右中間への大飛球はビデオ判定の結果、フェンス上部の柵を直撃する二塁打となったが、これで球場の空気は完全に巨人ムードに一変した。


 そして大瀬良にトドメを刺したのは阿部だ。「監督から『速い球を狙っていけ』と言われていたんでね」と外角低めの厳しい直球を踏み込んで捉え、左中間スタンドに勝ち越し10号2ランを叩き込んだ。入団から14年連続2桁本塁打はONに続き、原監督に並ぶ球団史上4人目の大記録。ここぞで放った節目の一発が勝負を決めた。


 久しぶりのお立ち台ではインタビュアーの求めに応え、やや控えめに「最高でーす!」。だが内海に2か月ぶりの勝ち星が付いたことを聞かれると、笑顔で「もっと最高でーす!」と喜んだ。


 今季はけがにも悩まされ、開幕から絶不調のシーズンを送っている。打率は2割台前半に低迷。阿部は「こんなに苦しんだことは初めて」と吐露する。新人の小林にスタメンを譲る機会も増えた。


 下位打線を打つことは日常の風景となり、阿部本人も「数字上は外されても仕方がない成績」と受け入れていた。だが4番の座へのこだわりは捨てられず「僕が打たないといけないと思ってやってきた」。主砲の責任感が打たせた一打だった。


 とはいえ、これでひと息つけるチーム状況ではない。原監督は阿部の一発について「チームにとって非常に大きい」と評価したが「しかしここで喜んではいられない。さらっと受け流したい」と逆に気を引き締め直した。


 そうした心境は主将も同じだ。「自分も含めて、(チームの)調子が悪くても勝っているのは不思議。『野球ってわかんないな』と思う。今年は“勉強のシーズン”だと思ってやっていくしかない」。厳しい戦いが続く覚悟を固めた主将は、チームを日本一奪回へ導けるか。