再燃?甲子園に走る阪神電車

2014年08月03日 07時30分

ミニッツメイド・パークの外野席を走る蒸気機関車

 阪神甲子園球場が1日、生誕90周年を迎えた。1924年8月1日に「甲子園大運動場」として竣工して以来、プロ野球・阪神タイガースの本拠地、高校野球の聖地として数々のドラマの舞台となってきた。2007年から3年間にわたる改修工事を経て現在の姿となっているが、球場内に阪神電車が走行するなどの仰天プランも検討されていた、という。現在も球場周辺を含めたリニューアルは継続中で10年後の100周年には「甲子園」の新名物となる斬新なアトラクションが誕生しているかもしれない。

 1日、4万4682人が詰め掛けたDeNA戦前、バックスクリーンの大型ビジョンに90年間を振り返る映像が流された。戦火が激しくなった1943年には内野席を覆うシンボルの大銀傘を軍に供出するため撤去、その8年後に復活、91年のラッキーゾーン撤去など時代の流れとともに姿を変えてきた甲子園だが、最大の変身は07年オフからスタートした「平成の大改修」だ。オフの期間を利用して3年間にわたって行われた全面改修。この大規模リニューアルを前に阪神電鉄本社、甲子園球場、球団の関係者が渡米し、各地のメジャー球場を視察した。

 趣向を凝らした球場設備、演出で来場者を喜ばせている米大リーグを参考にして充実したファンサービスが提供できる球場に変身させるためだ。中でも関係者が大きな関心を持ったのはアストロズの本拠地「ミニッツメイド・パーク」だった。

 試合開始時やアストロズの選手が本塁打を打った際に左中間後方のフェンスを蒸気機関車が走るアトラクションが名物だ。本社関係者は「噴水が出る球場とかいろいろな楽しい演出があったけど、電鉄会社の球場、球団ということを考えたら電車を走らせるアトラクションが最適だろう」と興味津々。

 球団関係者も「外野フェンスの最上部に線路を敷いて阪神の選手が本塁打を打ったらスコアボードから電車が出てきて外野部分を走らせる。内野部分はスタンド上部に設置が決まっていた長さ約250メートルのライナービジョンの映像に走っている電車を映す。うまく実際に走る電車と映像をつなげれば電車が観客席を一周する演出ができる」と具体的なプランを温めていた。

 他にも感動的なセレモニーを演出するための照明設備などエンターテインメント性を重視した施設にすることで観客をより楽しませるための数々の企画が練られていた。

 最終的には高校野球の舞台でもあることや改修の最大のテーマが「伝統と歴史を継承する」となったため斬新な企画の数々は見送りとなってしまった。ただ、リニューアル工事後もファンのニーズにこたえるためカップル席や団体席の設置などマイナーチェンジを行っている。現在は最寄り駅の阪神甲子園駅の改修工事をはじめ球場周辺の再開発にも着手している。

 球場関係者は「もちろん野球がメーンですが、野球以外でも楽しめる施設にしたい。電車を降りた時からファンの方々のワクワクした気持ちが高まるようなものにしたい。球場、その周辺も含めてお客さんが何度も足を運びたいと思ってもらえるように今後もアイデアを出していきたい」と将来構想を説明。電車のアトラクションなど斬新なプランが再検討される可能性もある。

 10年後には100周年という大きな節目を迎える甲子園球場。この時には、どんな姿になっているのか。“甲子園の進化”に注目だ。