パ・リーグ首位・ソフトバンクが30日の楽天戦(山形)に3―0で快勝。今季最多タイの6連勝を飾り、貯金を20とした。ヒーローは、2012年に育成ドラフト3位で入団して、今年5月に支配下登録された苦労人左腕・飯田優也(23)。6回3安打無失点投球でプロ初勝利をマークし「めちゃくちゃうれしいです。ウイニングボールは母にプレゼントします」と笑顔を浮かべた。

 そんな飯田の座右の書は、実在する伝説的な登山家・加藤文太郎の生涯を題材とした新田次郎の小説「孤高の人」。もともとは、この小説を原案として書かれた漫画バージョンを読んだのがきっかけだったが「本当に面白い」と大はまり。原作の方も購入して読み始めた。「(主人公が)ひたすらストイックに、ほかのことを犠牲にしてでも、自分の夢をかなえるために頑張っていることが共感できますね」。育成からはい上がって夢を目指している自らと照らし合わせて、参考にしているそうだ。

 先発5戦目にしてつかんだ初勝利。「計画通りに目標を一つ一つ、つぶしてきた結果だと思う。勝ったのはうれしいが、明日になったら(次の目標に向かって)やり直しです」と飯田。3年ぶりのV奪回を目指すソフトバンクに頼もしい左腕が加わった。