オリックスとの首位攻防3連戦(25~27日、ヤフオクドーム)に3連勝したソフトバンク。2位・オリックスに1・5ゲーム差をつけたが、鷹軍団が一気にマッチレースを勝ち抜くために、本紙評論家の得津高宏氏は柳田悠岐外野手(25)の4番抜てきを猛プッシュだ。

 28日現在、柳田は打率3割2分3厘、12本塁打、51打点、盗塁18。得点圏でも打率3割3分7厘の好成績を残しているからで「あれだけ振っても打率が残せるというのが彼のすごいところ。今のパ・リーグの左打者でいえば、糸井か柳田ですよ。今年はボールを最後までしっかり見て逆方向にも大きな当たりを打てている。思い切って(4番で)試してみるべき」という。

 ここまで李大浩が4番を務めているが、得津氏は「李大浩は(昨季まで在籍していた)オリックスの時のような打撃ができていない。何よりチャンスで打てなすぎますよ。パ・リーグ相手に打てていないのも気になるところ。甘いインコースを待ってもそうは来ないですよ。これだけの打者がチームに揃いながら、ソフトバンクが抜け切れていないのは、彼の不振によるところも大きい」と分析。確かに李大浩の得点圏打率は2割1分6厘とさっぱり。対パ・リーグに限定すると、その傾向は顕著で、ここまで66試合で19打点しか稼いでいない。そんな背景もあって「4番・柳田」の提言だ。

「ソフトバンクには1番・中村、3番・内川と出塁率の高い選手がいる。4番に柳田がいれば、初回から大きなチャンスが生まれる。柳田はあれだけ振ってくるから相手投手も怖い。だから四球も(リーグ3位の48と)多いでしょ。歩かされても、さらにチャンスが拡大する。李大浩も一度、6番くらいに置くことで、調子を戻してくれればプラスになるじゃないですか」

 打率3割、30本塁打、30盗塁のトリプル3を目標に掲げる柳田。今季は本塁打が難しそうだが、得津氏は「今季は無理でも来季以降に可能性は十分にありますよ。パワーはありますから。いい打者を見て研究していけば、力まずにボールを飛ばす方法が分かってくるはずです」と断言した。