<巨人2-1中日(27日)>27日の巨人戦に敗れ、同一カード3連勝を逃した中日。谷繁元信捕手兼任監督(43)は「今日は取りたかった(勝ちたかった)ことは取りたかった。トータル的に(巨人とは、これで)5勝10敗で5つ、借金しているわけですから」と珍しく敗戦を悔しがった。

 もっとも、チーム内は首位・巨人との3連戦に勝ち越したことで、4位からの逆転優勝へ、その気になっている。「この3連戦は1勝2敗でも御の字だった。シーズンは5割辺りにいれば、チャンスは来る。巨人との3連戦で1勝2敗だったなら(中日の今季成績は)43勝44敗3分け。それが2勝1敗で1つ勝ち越しできて(44勝43敗3分けで)貯金1だからね。これは十分ですよ」と球団幹部。中日には「勝負は8月、9月」という伝統がある。「これまでウチが勝ってきたやり方はシーズン終盤までは5割で乗り切り、後半戦の最後で勝負をかける。5割でいければ何とかなる」というのだ。

 終盤の追い込みに自信を見せるのはチームの伝統ばかりではない。巨人にそこまでの強さを感じないこともある。「(巨人は)特に阿部がずっと良くないよね。今日は休ませたのか、外れたのか知らないけど、阿部がこの状態が続くようならばいけるという気になる」とベテランチームスタッフ。「首位を守るというのはそうとう疲れるもの。ウチの方が精神的にはだいぶ気楽」(チーム関係者)との声もある。

 今後の戦いについて「何とか食らいついていく」と話した谷繁監督。食らいついたその先に最終コーナーからの“マクリ勝負”の展開を描いているのかもしれない。