ロッテに新加入した“キューバの至宝”アルフレド・デスパイネ外野手(28)が24日、QVCマリンフィールドで入団記者会見し「チャンスをいただいたので貢献できるように頑張りたい」と抱負を語った。今季終了まで7000万円(推定)の契約で、背番号は49。

 キューバ国内リーグで通算220本塁打を誇る175センチ、104キロの右の大砲は「どの方向にも強い打球を打てる。アジャストするのに時間がかからず対応できる」と持ち味をアピールした。

 セペダ(巨人)、グリエル(DeNA)に続いての超大物で、負けじとオリックス、ソフトバンク、ヤクルトも来季の補強に向け、すでにキューバに編成担当者を派遣し政府とのパイプ強化に動いている。

 さらに巨人はキューバから2人目のメンドーサ投手(20)と契約を結ぶなど日本球界の「キューバブーム」は収まりそうにないが、ある球団の編成担当者は「各球団とも本当にキューバ選手獲得のリスクを分かって動いているのか?」と警鐘を鳴らした。

「3人の“至宝クラス”はキューバ国内での地位も高く忠誠心もあるけど、来年、新たに日本の球団と契約を結ぶような若手選手には亡命のリスクがある。代理人たちは日本をメジャーへの見本市と考えているし、選手にとっても日本とメジャーじゃ収入が10倍以上も違う。1人でも日本国内のアメリカ大使館に駆け込まれたらNPBのキューバ選手が総引き揚げになる」(同担当者)

 実際、父子でキューバの英雄であるグリエルは婚約者や両親に来日ビザが下りるほど政府の信頼は厚い。一方、デスパイネは妻子を国に残しており亡命への重しになっている。だが今後、20代の無名の選手たちが続々と日本に来て代理人が「大金を稼げる」とささやけば…。心を動かす選手が出てくるのも当然か。