初出場で堂々のMVPだ。ソフトバンク・柳田が「マツダオールスターゲーム2014」第2戦(19日、甲子園)に1番・中堅で先発出場。6打数4安打1盗塁と、走攻守3拍子を見せつけた。6回にはダメ押しの2ランを放ち、前夜は無得点に終わった全パに勝利をもたらす大活躍。文句なしで最優秀選手(MVP)を獲得したほかにも、ホームランダービーでも決勝に駒を進めるなど、持ち味を惜しむことなく発揮した。

 柳田が前夜のうっ憤を晴らす大活躍で甲子園を沸かせた。この日1番に入った柳田は初回、全セ先発・藤浪のフルカウントからの6球目、152キロの直球をとらえて左前に運んだ。「めっちゃ球が速くてどうなることかと思ったけど、ヒットが出て素直にうれしい」。前夜は5回から出場するも1打数無安打(1四球)。記念すべき球宴初安打をマークすると、今度は足で見せた。


 藤浪が2番・大引に初球を投じた直後に二盗。柳田のチャンスメークに、お揃いのグラブ、リストバンドで臨んだ尊敬する先輩・糸井(オリックス)が応えた。バットを粉砕しながら放った先制中前打で、今年の球宴で全パ初となるホームを踏んだ。


 前夜、試合前にホームランダービーに臨んだ。「バリ緊張したっす。あれ以上に緊張することはない」とエルドレッド(広島)の6本に対し、わずか2本止まり。本領発揮とはならなかった。この日も「球宴はすごい人ばっかり。僕は脇役の一人です」と謙虚な言葉を並べたが、ふたを開けてみればファンも目を見張るほどの大活躍。準決勝では昨季の本塁打王・バレンティン(ヤクルト)の記録(3本)を余裕で抜き去り、決勝進出を決めた。最後は陽(日本ハム)にあと一歩及ばなかったが、持ち前の豪快スイングで4本の柵越え。満員の球場を沸かせた。


 4回の守備では村田の中前打をつかむとすぐさま本塁へ送球。「バウンドしたが、(捕手の伊藤)光がカバーしてくれて感謝です」と強肩で追加点を阻止。6回にはダメ押しの2ランと、走攻守すべてで文句なしの活躍を見せた。


 2日間の球宴で、持ち前のパワーを思う存分発揮した柳田は「まだまだ試合があるし、首位争いをしているところ。少しでもチームのために貢献したい」。後半戦もこの勢いで突き進む。