澤村9勝目消滅 粘投も打線応えず

2012年08月08日 12時00分

 巨人・澤村が7日の阪神戦(東京ドーム)に先発したが、フラフラになりながらも、虎打線を6回無失点に抑えた。毎回のようにピンチを招きながらも要所を締める粘りの投球で、先発として最低限の責任を果たした。この試合で原監督は今季初めて長野をスタメンから外すなど打線を組み替えたものの、苦手のメッセンジャーにまたも苦戦。8回には山口が同点を許し、澤村の9勝目は消滅し、試合は1―1の引き分けに終わった。

 

 5回終了時の球数は113球。予想をはるかに超える多さだった。それでも無失点に抑えていた澤村は、6回のマウンドに立った。

 

 調子がよかったのは三者凡退に抑えた初回だけ。その後は毎回得点圏に走者を進背負った。それでもあと1本を許さなかった。4回二死満塁で平野に対しては初球カーブを見せた後はすべて直球で押しまくった。7球目を叩いた当たりは澤村のグラブを弾く強い当たり。これを落ち着いて処理すると小さくガッツポーズを決めた。

 

 5回は二死一塁から金本、マートンに連続四球を与えて再び満塁のピンチに立たされた。打者は好調の新井良。絶体絶命のピンチに阿部が初球に要求したのは外角の直球、まさに“真っ向勝負”だった。そして投じた渾身の外角146キロの直球に、新井良の打球は力ない中飛に終わった。

 

 四球を連発しながらも抑えるという“自作自演”の投球でも、結果は無失点。ここには両チームの思惑も絡んでいた。川口投手総合コーチは「逆球が多く、その場しのぎになっている。その逆球に打者が打ちあぐねているのかな」。澤村の乱調に、阪神首脳陣は「追い込まれる前に勝負を仕掛けろ」と指示していたが、相手の思わぬ乱調ぶりに完全にペースを乱されてしまったようだ。そんな相手の拙攻にも助けられたとはいえ、気持ちを切らさずに投げ続けた2年目右腕の精神的成長も見逃せない。

 

 そんな右腕の粘りに、ようやく打線が応えたのは6回だった。

 

 先頭の坂本の右前打、阿部の四球と村田の犠打で一死二、三塁とすると、高橋由の打球は二ゴロ。しかし、前進守備の平野のグラブを弾いたことで坂本が本塁を陥れた。

 

 原監督はこの試合までメッセンジャーに11打数無安打だった長野をスタメンから外し、1番に谷を置いたが、この布陣は狙い通りに機能しなかった。それでも「澤村を見殺しにできない」という強い思いで、先制点を奪い取った。しかし1点リードの8回、二死三塁の場面でマウンドに立った4番手の山口が代打の桧山に痛打され、澤村の今季9つ目の勝ち星は幻と消え、打線は勝ち越すことができなかった。