9勝目 ハム大谷にダルビッシュ超えの予感

2014年07月18日 11時00分

5回無失点で9勝目を挙げた大谷
5回無失点で9勝目を挙げた大谷

 日本ハム・大谷翔平投手(20)が16日の西武戦(旭川)に先発し、5回3安打無失点、6奪三振でリーグ2位タイとなる9勝目(1敗)をマーク。自身の連勝を7に伸ばし、チームは3―1で勝った。この日の球速は159キロ止まりだったが、その急成長ぶりには驚かされるばかりで、パ・リーグを代表するスラッガー、西武・中村剛也内野手(30)も苦渋の表情で賛辞を贈るしかなかった。

 

本来の出来には程遠い93球だった。それでも得点圏に走者を背負った4度のピンチでは最速159キロの速球とスライダーを駆使し、西武打線に決定打を許さない「エースの投球」でチームの貯金2ターンに貢献した。

 

 粘りの投球には、栗山監督が「調子が悪い時にこういう投球ができたことが前進。あいつを初めて褒めてあげたいと思う」と脱帽したほど。この1週間は9日の楽天戦(コボスタ宮城)で16奪三振完投勝利した後、11日のソフトバンク戦(札幌ドーム)に代打出場し、12、13日の同戦に「3番・左翼」でフル出場しての登板だった。

 

 厚沢投手コーチが「いつもより右足の曲がりが大きくてバランスを崩していた」というほどの疲労が下半身にたまっていた。5月28日ヤクルト戦(神宮)以来7試合ぶりの4四球と制球を乱した大谷は「修正は最後までできませんでした」と言いながら3回二死一、三塁のピンチでメヒアをスライダーで、5回二死二塁では中村を158キロストレートで空振り三振に斬り、主軸に仕事をさせなかった。

 

 大谷は「中村さんとかメヒアとか、常にクリーンアップの時には力を入れるようにしている」と試合の分岐点となった中軸との対戦を振り返ったが、2三振を含むこの日の3タコで大谷との通算対戦成績を10打数1安打(4三振)とした西武・中村は、その急成長に苦笑いを浮かべながらこう賛辞を贈った。

 

「ストレートはタイミングが合う合わないがあるけど、150キロを超えるストレートはそう簡単には打てない。今だって打てていないわけですから、これ以上投球のレベルが上がってもらったら嫌ですよ。(5月17日の)函館の時はまだフォークが抜けたりしてましたけど、それが良くなってこの先、もし制球がゾーン内外にボール1個や半個の出し入れとかができるようになったりしたら、余計やりにくくなる。そんなことされたら打てませんよ」

 

 中村はかつて名勝負を繰り広げた日本ハム時代のダルビッシュに対して「唯一打てないことを前提に打席に入るピッチャー」と語ったことがある。まだ発展途上の段階ながら完璧に牛耳られている10歳年下の右腕に感じている予感は、伸びしろを考えればはるかにダルビッシュを超えていそうだ。

 

 二刀流2年目の前半戦を、投手で9勝1敗、防御率2・23、117奪三振でターン。52試合の出場で打率2割8分2厘、5本塁打、20打点の打者成績と合わせ、目標である「4番でエース」の実現がより現実味を帯びてきた。