パ・リーグ2位のオリックスが15日の楽天戦(京セラドーム)にわずか1安打で1―7と完敗。先発の西勇輝(23)が初回に3失点するなど不安定な立ち上がりで、7回途中、7失点で降板。開幕から8戦8勝と快進撃を続けたが、ここ4試合は計22失点の急失速ぶりだ。

 森脇監督は「そんなに心配していない。彼にとってこの1年はこれからの野球人生を決めるくらいの意味のある時間が流れている。オリックスの財産になる人材。(ファン投票で選出された)オールスターでいいものを出してくれるはずだし、きっと大丈夫」とねぎらったが、西は「失点は言い訳できない。最少失点にもできていないし、野手の人が間延びして得点できないのは僕の責任。時間をとって考えたい」と反省の弁を並べた。

 一時の勢いが消えてしまった西に対してコーチ陣は「つぶやき投法を復活させろ」と提言する。西はマウンドで場面の状況や配球の留意点などを声に出すことで集中力を高め、丁寧な投球をしてきた。

 しかし、ここ数試合はつぶやきがナリを潜め、同時に結果も出なくなっている。そのため「以前のように西らしくマウンドでしゃべればいいんだ。なのに周囲の“子供っぽく見える”とか“高校生みたいだ”という一部の声を気にして話すのをやめて“大人の投球”を意図的にやろうとしていた。本人にも“もっと話せ”言っている」(あるコーチ)という。

 チーム躍進の立役者だっただけに何とも気がかりな西の乱調。封印していた特徴を復活させ、勢いを取り戻せるか。