中日・和田一浩外野手(42)が絶好調だ。チームが8―2と快勝した11日の広島戦(ナゴヤドーム)では13号3ランを含む2安打3打点と活躍。これで7試合連続安打。ここ10試合は34打数17安打で打率は驚異の5割、4本塁打、13打点と手がつけられないほど打ちまくっている。

 和田は名球会入りとなる2000安打にも残り26安打。谷繁監督が「アクセルを踏み始めましたね」と笑顔で話したように一気に量産しそうな気配だが、チーム関係者は、この状況になぜか渋い顔だ。「去年、谷繁監督が2000安打まで残り31本で開幕を迎えたけど、いきなり絶好調であっという間に(5月6日の神宮球場でのヤクルト戦で)達成してしまったでしょ。ジワジワとカウントダウンしていった上で本拠地のナゴヤドームで決めるのが一番、盛り上がるところだったのに…。ベンちゃん(和田)も同じようにならないか、心配なんだよ」

 何ともぜいたくな悩みだが、別の関係者も「正直、2000安打まで残り5本ぐらいになったら打ったり打たなかったりすると、ファンは『記録達成は今日なのか、明日なのか』ってハラハラドキドキして盛り上がるからね。一気に達成しちゃったら面白くないでしょ」と真剣な表情でいう。

 和田本人は2000安打について「まだ見えない。ケガするかもしれないし、2000安打のためにやっているわけじゃない。チームが勝たないといけない」と努めて冷静に話すが、どんな形で達成となるか。球団サイドは今からハラハラドキドキだ。