広島がついに3位に転落した。11日の中日戦(ナゴヤドーム)は先発・バリントンが大誤算。初回に2点を失う不安定な立ち上がりで味方打線が何とか5回に追いつくも粘りきれず敗れた。この日、阪神が巨人に勝ったため、今季初めての3位に転落。後ろを振り返れば4位の中日とも2・5ゲーム差と猛追している。球宴の折り返しまで残り5試合。赤ヘル軍団にとって今後を占う大切な試合となってくる。

 今シーズンここまで7勝7敗。今ひとつ乗り切れない今年のバリントンを象徴するような投球だった。


 初回、簡単に二死を取った後、警戒しすぎて森野に四球。続くルナに高く浮いたスライダーを左翼席に運ばれる先制の2ランを浴びる。ビジターゲームではやってはいけない先制点。しかもあっという間に2点を奪われては広島ベンチのムードもしぼんでしまう。


 それでも赤ヘル打線は何とか反撃を見せた。4回、キラが6月4日の日本ハム戦(札幌ドーム)以来1か月以上ぶりとなる一発を右翼席に運び1点差とする。


「打ったのはストレート。しっかり芯で打ち返せた。良い手応えだった」と久しぶりの両手に残った感触に感慨深げ。6月には不振のため二軍落ちも経験したが、一軍復帰後、2試合目のスタメン出場で結果を出した。


 5回には7年目で初の1番スタメンに抜てきされた小窪が野村監督の期待に応える。大野のシュートをとらえた打球は弾丸ライナーで左翼席に突き刺さる同点3号ソロ。「打ったのは落ちる球かな。泳いだけどうまくバットに引っかかった。まずは同点に追いつきたかったから打てて良かった」


 12球団の中でもトップクラスに広いナゴヤドームで2本のホームランを打ち返しての同点劇。しかし、それでもバリントンが粘れない。6回、二死二塁から藤井に右前打を浴びて勝ち越しを許してしまう。


 頑張って追いついてもすぐに相手が勝ち越し。こういう展開ではもはや好調・中日の勢いにはあらがえない。7回には2番手・永川が和田に3ランを浴びるなど5点を失いジ・エンド。


 この日、阪神が巨人に勝ったためついに3位転落。4位の中日とも2・5ゲーム差に迫られた。カープが本格的な夏を待たずに正念場を迎えている。