オリックスが10日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)に6―5と競り勝った。首位攻防3連戦を2勝1敗と勝ち越して首位奪回だ。先発・金子千尋(30)が8回を8安打4失点ながら粘りの投球で8勝目をマークしたが、そのエースについてチーム内で気になることがささやかれている。

 4回に3連打をきっかけに逆転を許したものの、6回にペーニャの20号3ランが飛び出して再び逆転に成功。エースの127球の力投が打線の奮起を呼び込んだ。金子は「チームとしても個人としても負けたくなかった。逃げていたら打たれるので攻めないとダメだと思った」と汗を拭い、森脇監督も「しっかり戦えたと思う。9連戦は1試合、1試合の位置づけ。その中の1つのカードを勝ち越すことができた」と力を込めた。

 その金子についてチーム関係者は、やたら登板間隔を狭めたがることを気にしている。金子は5月31日の巨人戦(京セラ)先発後、6月18日までの3度の登板をいずれも中5日で投げた。森脇監督は「金子の希望だった」といい「本人は中4日を望んでいる。4日にしたら他の投手との兼ね合いがあるから難しいけど投げたがりだからね」と明かしている。この日のソフトバンク戦こそ中6日での登板になったが、今後も金子はその考えを変えるつもりはない。

 これにチーム関係者は金子が今季中に国内FA権を取得見込みであることをリンクさせ「少しでも多く投げてチームを助け、中継ぎを休ませたいというのもあるだろうけど…。今季をオリックスでの集大成と考えているのかもしれない。優勝したらFAで出て行く“花道”になるからね。球団もとめにくくなるし…」と心配そうに話す。さらには「いずれ(中4日先発が通常の)メジャーに行く気なんじゃないか」の声まで出ているのだ。

 登板間隔を狭めたがる理由について金子は「言う必要はない」と口を閉ざすが、果たして…。エースの動向が注目される。