鷹野手陣に世代交代の波

2012年08月07日 18時00分

名物アナ山下末則のスポーツ末広がり】

 

 米女子ゴルフツアーに組み込まれている「エビアン・マスターズ」の中継のため、1週間ほど日本を留守にした。フランスでは中継準備に追われて、球宴明けのプロ野球の詳しい内容を知るすべがなかった。

 

 帰国してソフトバンクの戦績をチェックすると後半戦のスタートでいきなりの3連敗。さらに、開幕から絶好調だったチームリーダーの松田が右手甲骨折で長期離脱という危機的状況に。秋山監督も「元気者がいなくなったよ」とお祭り男の離脱を嘆いていた。

 

 ソフトバンクには三塁手の控えがおらず、石渡編成部長は松田の故障・離脱がないよう祈っていたそうである。ただ、松田を欠いた直後の西武との3連戦は初戦こそ落としたものの2、3戦目は打線が爆発。2勝1敗で勝ち越し、借金を1にした。

 

 流れを作ったのは第2戦に先発したルーキー武田の好投だろうが、3番内川の復活、さらに21歳の若武者今宮、23歳の柳田が立て続けにプロ初本塁打をマーク。松田不在を感じさせない盛り上がりをヤフードームで演出し、ライバルの西武を圧倒した。

 

 チームにとって松田の不在はピンチだが、若手にとってはチャンスである。このあたりの見解は放送席でご一緒させていただいたOBで解説者の浜名千広氏も同じで、特に今宮や柳田には「『何が何でもレギュラーポジションをとるんだ』という強い覚悟で戦ってほしい」と力説されていた。

 

 ソフトバンクの野手陣には、世代交代の波が少しずつ押し寄せている。明石や今宮、柳田といった若手が選手会長本多、内川らを上回るエネルギーを発散させていけば、間違いなくチームは活気づく。残り50試合を切ったが、首位の日本ハムとは5ゲーム差。逆転優勝も十分に狙える。

 

 ☆やました・すえのり 1948年3月14日生まれ。福岡県北九州市出身。宮崎放送を経て、81年に日本テレビ入社。巨人戦実況を中心に、スポーツアナウンサーとして活躍。テレビ野球中継初の槙原投手の完全試合を実況したことでも有名。箱根駅伝のメーンアナウンサーを8年間務め、陸上競技にも精通している。08年に日テレを退社。現在はフリーアナウンサーとしてソフトバンク戦や海外ゴルフの実況で活躍するかたわら、ビジネスマン研修会社を経営している。