<阪神6-5広島(9日)>広島の主砲、ブラッド・エルドレッド内野手(33)が9日の阪神戦を急きょ、欠場した。スタメン予定で球場スコアボードにも名を連ねながら試合開始直前の5分前に変更となった。

 練習後に、前日8日の試合で空振りをした際に負傷した左手中指に痛みが出たためで「監督と話をして先発出場を代わることに決まった。これ以上、悪くならないための処置だよ」とエルドレッド。野村監督も「できないことはないということだったが、大事を取って僕が止めた」と軽症を強調した。

 しかしながら、頭の痛い問題も発生している。今回の故障は豪快なスイングが原因だからだ。指揮官も「彼はセーブすることなく全力でやってしまうからね」と話すように、とにかく手抜きできない性格。このままでは、いつまた同じことが起きても不思議ではないというのだ。

 2年前には同じく全力プレーがモットーだった助っ人・ニックが一塁を駆け抜けた際に左ヒザ靱帯を損傷する大ケガを負い、勝負どころで長期離脱となった。それだけに「エルドレッドもニックの二の舞いにならないように、打撃に影響がない程度に力を抜くことを覚えてくれるといいんだが…」(チーム関係者)との声も上がっている。

 28本塁打、75打点で2冠王のエルドレッドの力は赤ヘルには不可欠。果たして、どうなるか。