阪神が9日の広島戦(甲子園)で6―5と辛勝し、2008年以来6年ぶりの7連勝を飾った。連続イニング安打をプロ野球新記録の27イニングまで伸ばすなど猛虎打線も絶好調。その中心となっているのがマット・マートン外野手(32)だ。一時は調子を落としていた安打製造機。その復調の裏には「同期の親友」の言葉があった。

 10号2ランを含む2安打2打点。マートンは「これからもたくさんホームランを打ってチームの勝利に貢献できるといい。この形をこれからも続けていきたい」と力強く話した。

 7月7試合で打率4割8分1厘、8打点、2本塁打と間違いなく7月無敗の原動力だ。しかし、5、6月は打率も3割に届いておらず、マートンにとっては物足りない状態だった。審判の判定にイライラする場面も多くなるなど精神的にも不安定な面を露呈していた。

 そんな時に声をかけたのがメッセンジャーだ。助っ人右腕は当時のことをこう振り返る。「その時は彼が判定にイラついていたからね。そんなに大したことじゃないけど“落ち着いて”とか“そんなに焦るなよ”とか言った記憶があるね」

 2人はともに1981年生まれ。阪神入団も2010年と一緒。来日してから5年、マートンがスランプに陥った時期もあればメッセンジャーが好投しながら勝ち星に恵まれなかった時期もあった。そんな時にお互いを支え合ってきた間柄だ。メッセンジャーは「日本に来てからお互いにサポートし合ってきた。マートンが打てない時は自分が声を掛けたし、逆に自分が勝てずに苦しんでいた時にマートンからアドバイスをもらったことは何度もある」と打ち明ける。

 両者の関係は新助っ人のゴメスにも好影響を与えている。「ゴメスと3人で食事に行くこともある。マートンとゴメスは基本的にアメリカンフードが好きだからそういう店でね。そこでもいろいろ話をするよ」(メッセンジャー)とゴメスの活躍にも貢献している。

 ちなみに食事代金については「彼(マートン)が多く出すことが多いね。だって彼の方がたくさんお金をもらっているから」とメッセンジャーはニヤリ。助っ人コンビの固い絆が虎軍団の投打を支えているとなれば心強いばかりだ。