デーブこと楽天の大久保博元監督代行(47)が将来的な一軍監督就任に向け“キヨシ流”で足固めをしている。

 9日の日本ハム戦(コボスタ宮城)は、160キロ右腕・大谷に16三振を喫し1―2で完敗。7回まで先発の辛島が1失点と好投していたが、8回に捕手が嶋に代わった途端に決勝点を奪われた。ポイントとなったのは7回の攻撃で辛島を好リードしていた小関に代打を送ったこと。大久保監督代行は「(代打)ラッツで行きたかった。捕手を代えると流れが変わる。オレの采配ミス。嶋は悪くない」と自分を責め、選手をかばった。

 あえて名指しして選手の発奮を促す星野監督のやり方とはまったく逆。「親分」と呼ぶ星野監督より「師匠」と慕うDeNA・中畑監督流の褒めて乗せるやり方で選手の心をつかもうとしているようだ。「(代行)就任後、師匠から特に連絡はないけど、そこは監督同士だし、お互い大人だから」と話すように直接指導を受けているわけではないが、意識していることは間違いない。

 発言も“キヨシ流”を踏襲している。この日は試合前に報道陣から大谷対策を問われて「大谷はいい投手。打つには選手に3億円をあげないとムリ」と豪快に笑い飛ばしていたが、その姿は6月25日のDeNA―日本ハムに「大谷の対策なんてない。ガハハッ」と丸腰で臨んで敗れた中畑監督とそっくりだ。

 現在の肩書は「一軍監督代行」だが、総監督的な仕事もこなしている。「(一、二軍)両方の報告を見ているから大変だけど、(星野)監督が帰ってきた時、チームがいい状態で指揮してほしいから」との考えから、二軍の酒井監督代行とも密に連絡を取り合っている。

 早朝に仙台の街をジョギングする姿が関係者に目撃されており、体調管理にも余念がない。ことあるごとに「監督が帰ってくるまで」と繰り返しているが、来るべき日への“準備”は着々と進めているようだ。