“身勝手行動”グリエルと中村ノリに扱いの差が出る複雑なチーム事情

2014年07月10日 06時00分

横須賀スタジアムで行われたイースタン・楽天戦に出場したノリ(左)。顔写真はグリエル

「飛行機恐怖症」を理由に8日からの沖縄遠征(対巨人)を拒否したDeNAユリエスキ・グリエル内野手(30)の処遇をめぐっての“余波”が広がっている。首脳陣やフロントの度重なる説得にも首を縦に振らず、最終的に“ドクターストップ”という形で了承されたが、これに対してチーム内からは「今回の件を“あの人”はどう思うか」との意見が噴出。身勝手な行動を理由に二軍で冷や飯を食わされ続けている中村紀洋内野手(40)の出方にも注目が集まっている。

 グリエルは8日、横須賀市の二軍練習場に姿を現し“居残り練習”を行った。通訳を介し「沖縄のファンに申し訳ない」とおわびすると、もともと飛行機が嫌いだったうえに、昨年大きな揺れを経験したことで決定的になったことを明かした。

 キューバから日本への長時間移動をクリアできたことについては「常に飛行機に乗ることには恐怖心を感じている。(日本への移動も)天候をチェックして大丈夫なことを確認してから来た」と説明。今後の空路での遠征については「天候を常に考えてから行きたいが、飛行機よりも他の手段があればそちらで行きたい」と語った。

 球団関係者も「(フロントも)契約ではそういうことは知らされていなかったようですからね」と困惑するばかりだったが、精神的なものを理由にされては受け入れざるを得ない。今後は交通手段と気象状況を見ながら対応していくことになりそうだが、今回の騒動はそれだけで済みそうにない。というのも、関係者の間でこんな声が上がっているからだ。

「これがおとがめなしとなると、面白くないのはノリだろう。原因はともあれ、チームを混乱させたわけだから。ペナルティーとは言わずとも、グリエルにも何らかの注意がないと、ノリに示しがつかないのでは」

 5月上旬、チーム方針に従わなかったことを理由に、ベテランの中村が二軍に降格させられ、現在も冷や飯を食う生活が続いている。中村はおととしにも、自身の打席で盗塁した選手を「走るな」と叱り飛ばすなどしたことが首脳陣批判とみなされ、二軍に懲罰降格させられた。

 いずれも身勝手な行動に対するペナルティーだった…。少々、強引な解釈かもしれないが、チームの一員としての義務よりも自己都合を優先させたという点では、今回のグリエルの遠征拒否も似たようなものだと言えなくもない。さらに、チーム内に蔓延する“別の感情”も絡み合って、事態は複雑化している。あるチーム関係者は「はっきり言えばGM、監督に対する不信感ですよ」と切り出し内情を明かした。

「ノリだけでなく、三浦(大輔投手=40)を容赦なく二軍に落とすなどチームの若返りを狙いながら、今年39歳の(高橋)尚成を獲得するなど方針がブレていて、チーム内にはなんとなく不信感が漂っていた。『4番ブランコ、5番ノリ』を公言しておいて、バルディリスを獲得したときも、選手からは『もともとノリを使う気なんてなかったんじゃないか』なんて声も上がっていた」

 中村の行動は褒められたものではないが、グリエルだけを特別扱いしていては、チームの和は乱れる。本紙評論家の得津高宏氏は「戦力的にどうしても使いたいのなら、50万円ぐらいの罰金を科すぐらいのことはしなきゃ。病気は病気として認めた上で処分は必要。それなのに監督が『仕方ない』で済ましてしまうのは大問題だと思います。ノリが同じことをしたら、絶対に許されないでしょ」と一刀両断した。

 一連の騒動を、当事者はどう感じているのか? 二軍戦に備える中村を直撃したが、この件に関して口を開くことはなかった。グリエルの飛行機嫌いに端を発した今回の騒動で、フロントや現場指揮官の“本音”があぶり出されることになりそうだ。