阪神のルーキー捕手・梅野隆太郎(23)が8日の広島戦で甲子園初アーチを放った。甲子園球場で阪神の新人選手が本塁打を打つのは2004年の鳥谷以来10年ぶり。この梅野の攻守にわたる活躍で3―1と快勝し、今季2度目の6連勝を飾った。すでに正妻として起用されている1年生捕手は、早くもグッズ市場での“レギュラー入り”も決定的となった。

 会心の一撃だった。4回、広島先発・大瀬良の147キロ直球をフルスイングした梅野の打球は、低い弾道で左中間席に突き刺さった。梅野と大瀬良は誕生日が1991年6月17日と同日で、梅野が福岡大、大瀬良が九州共立大でともに福岡県内の大学に在籍という“因縁”もあり、お互いに意識する間柄だ。

 プロ入り後は、ここまで3打数3三振。それだけに「なかなか打てる機会がなかったので、やり返せて良かった」と、待望の本拠地初アーチとなった5号ソロを感慨深げに振り返った。

 チームが好調に転じた7月の6試合はすべて先発マスク。梅野は正捕手の座をつかみつつあるが、グラウンドの外でも“レギュラー入り”する勢いだ。営業担当者はこう断言する。「レギュラー並みのグッズ展開を決めました。今後、梅野選手のグッズはどんどん増えていきます。7月中にはレギュラーメンバーと同じくらいの種類まで増えます」

 ここで言う“レギュラーメンバー”とは鳥谷や藤浪、西岡など人気、実力ともに球団の顔として活躍している選手のことだ。阪神は数十種類に及ぶ選手名が入ったグッズを販売しているが、ほとんどの選手は人気度や支持層を基に、製作するグッズの種類を絞り込まれている。一方、安定した人気を誇り、売り上げを期待できる“レギュラーメンバー”に限っては、ほぼ全種類のグッズが作られている。

 そんな中、開幕直後から梅野の人気は急上昇。6月中旬にタオルなど4種類が緊急発売されると飛ぶような売れ行きで「メチャメチャ売れた」と営業担当者を驚かせた。この実績もあって急きょ“レギュラー枠”に抜てきされることになったのだ。

 1969年の田淵幸一以来45年ぶりとなる新人選手の2打席連続アーチをはじめ、次々と歴史的快挙を達成している梅野。今後もグラウンド内外で大物ぶりを発揮しそうだ。