ついに首位を奪回したソフトバンクは今日8日から2位・オリックスとの3連戦(ヤフオクドーム)に臨む。両軍のゲーム差は「0」。首位ターンを狙うチームにとって、オールスター前の大一番となる。とはいえ、必要以上の気負いはない。オリックスはエース2枚が先発予定だが、若鷹軍団はこれまでの方針通り、ドッシリと構えて戦うつもりだ。

 注目の首位攻防3連戦を控えた7日、ソフトバンクは先発陣がヤフオクドームで調整練習を行った。もっとも、秋山監督をはじめとした鷹首脳陣はドッシリと構えている。相手のオリックスは金子、西のダブルエースが投げてくるが、郭投手コーチは「いいんじゃないですか」と意に介さずだ。

 鷹サイドは初戦にスタンリッジ、2戦目にオリックスと好相性の帆足、3戦目には岩崎が登板する。仮にエース・摂津を中5日で投入すれば金子が先発予定の3戦目にぶつけることもできるが、首脳陣にその気は一切ない。郭コーチは「相手はオリックスだけじゃないですから。まだまだシーズンはありますしね」と続けた。

 これまでもソフトバンクは快走するオリックスを尻目に“マイペース”で試合をこなしてきた。選手層の厚さはリーグで抜けており、現段階では焦る必要はない。球宴明けの2カード目となるオリックス3連戦(25日~27日)でも、よほど戦況に大きな変化が生じない限りは“自軍の都合優先ローテ”を組むことになりそうだ。

 もちろん、戦力的な優位を過信しているわけではない。ゲーム差を引き離すために直接対決に力点を置いたところで「そもそもパ・リーグはどのチームも手ごわい。対戦するときによって、いい状態、悪い状態というのはあるにしてもね。少しでも甘く見たりすると絶対にやられるからね」(チーム関係者)。リスクをともなう選択肢になってしまうからだ。

 初戦に先発するスタンリッジも「まだ(首位攻防戦など)そういうことを言う時期ではない。70試合近く残っているからね。上位チーム同士だから、いい試合にはなると思うけど、相手がどこでも気にする必要はない。自分はどの試合でも重要だと思っているからね」と話した。

 とはいえ、後半戦の展望に大きな影響を及ぼす可能性もある大事な3連戦。ここまで26勝8敗1分けと驚異の勝率を誇るヤフオクドームでオリックスを粉砕することができれば、V奪回が色濃く見えてきそうだ。