広島の主砲ブラッド・エルドレッド内野手(33)が打ちまくっている。

 6日のヤクルト戦(マツダ)は4回降雨ノーゲームとなり、3回に村中恭兵投手(26)からバックスリーンへ放った特大の“29号”は幻。「記録に残らないので練習だったと思うことにするよ。試合前から雨が降る雰囲気があったので(試合が成立する)5回までできなかったことは残念」と苦笑いを浮かべたが、ここまで73試合で28本。シーズン55本ペースながら昨年、ヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(30)がマークしたシーズン60本塁打の日本記録を「抜いてほしい」との期待は赤ヘル内でも高まっている。


 それだけではない。さらに「エルドレッドにはヤクルト戦で14本以上、打ってほしい」との要望がある。昨年、広島はバレンティンの60発のうち、12球団最多の14発を献上する屈辱を味わった。それだけに「チームして悔しいことだったので、何とかエルドレッドにヤクルト戦でやり返してほしい。そうすればバレンティンへのトラウマもなくなるはず」(チーム関係者)というのだ。


 6日現在、エルドレッドはヤクルト戦10試合で4本塁打。残り14試合で10本塁打以上は、かなりのノルマとなるが、チーム関係者らは「ぜひ、やってほしい」と声を大にする。「対戦相手がどこであってもいいプレーを続けていきたい。日本記録のことは頭にない。あと1本というところなら意識するかもしれないが彼(バレンティン)に及ぶペースではないよ」とエルドレッドは話すが、周囲の期待度は増すばかりだ。