<ソフトバンク5-1楽天(6日)>投打の“救世主”がチームに首位の座をもたらした。ソフトバンクは6日の楽天戦(ヤフオクドーム)に5―1で快勝。先発した2年目右腕・東浜が6回1失点の粘投で2勝目をマーク。移籍2年目の吉村も3回に適時打を放つなど、ここまで一軍で出場機会に恵まれなかった2人が活躍を見せた。この日はオリックスが西武に敗れたため、チームは5月16日以来の首位浮上。このまま連勝街道に乗りたい。

 2回以外は毎回走者を背負う展開に「内容を見たら無駄にランナーを出している。よく1点に収まったという感じ」。6回1失点と試合をつくって今季2勝目を手にしながらも、先発・東浜は辛口で自己評価した。

 3回には2四球で、二死満塁のピンチを招いたが、最後はボウカーをカットボールで空振り三振。生きたのはファームでも意識的に取り組んできた“マイペース投球”だ。「抑えよう抑えようとすると、どうしても前のめりになって突っ込んで、球が浮いてしまう」。二軍で山内投手チーフコーチから言われてきた「球を低めに集めること」を念頭に置き、焦ることなくアウトを重ねて1失点にまとめた。

 この日初めて本拠地のお立ち台に立った右腕は「自分のペースで投げることが大前提。まず自分のピッチングをしようと、一歩引いた感じでできた」。球数の多さこそ課題に挙げながらも、手応えをつかんでおり、加藤投手コーチも「苦労しながらも、登板を重ねて成長していってくれれば。そういうのは一軍の舞台じゃないと経験できないから」と期待する。

 そんな東浜をしっかり援護したのが、松田の離脱に伴って3戦連続スタメン出場となった吉村。2回の初打席で四球を選び先制点をチャンスメーク。3回にも二死一、二塁から右前適時打で3点目を挙げた。この日の第3打席まで7打席連続出塁も記録。パワーになっているのは、4日の楽天戦から使用しているオリジナルの登場曲だ。

 DeNA時代にキャンプ地・宜野湾で知人を介して知り合った「ケツメイシ」の大蔵とDJ KEINが吉村のために制作したもので、歌詞には「ヨシムラユウキ」の名前入り。当初は開幕に間に合わせる予定だったが、先日ようやく完成し音源が手元に届いた。「レコーディングが遅れてこのタイミングになったが、届いた頃に僕も試合に出れるようになった。『打つと言っていいでしょう』という歌詞があるので、僕も打たないといけない、と思って打席に入っています」と大きな発奮材料となっている。

 ともに今季序盤は二軍暮らしが続いた東浜、吉村コンビの活躍で、チームは2カード連続の勝ち越し。この勢いで7月も突っ走る。