阪神は2日のヤクルト戦(甲子園)で1―0と辛勝。勝率を5割に戻し、3位に浮上した。この虎の子の1点を叩き出したのは頼れる主砲のマウロ・ゴメス内野手(29)だ。リーグ戦再開後も5試合連続安打、6打点と好調をキープ。不動の4番として存分に存在感を示しているゴメスのパワーの源は「マグロ」だった。

 初回、二死二塁の先制機にきっちりと左前適時打。これが両軍通じて唯一の得点となった。ゴメスは「力まないように考えた。結果的に自分の安打が勝ちにつながったのは良かった。勝ちに貢献することが仕事なので気分がいいよ」と誇らしげに振り返った。

 2日現在で打率は2割8分3厘ながらも打点はリーグ2位の64打点と勝負強さを発揮。首脳陣も「本当にいいところで打ってくれる。先制点、同点にする一打、貴重な追加点とチームにとって大きな意味を持つ得点を生み出してくれる」と絶大な信頼を置いている。

 そんなゴメスのエネルギー源は「マグロ」だという。球団関係者は「日本のマグロのおいしさに感動したようでしょっちゅう食べている。自宅でも鉄火丼を出前してもらって舌鼓を打っている」と証言。ゴメス自身も「すしは日本に来て好きになった食べ物の中でも3本の指に入るよ。特に好きなネタはもちろん、マグロだね。最高だよ」と認める。マグロの話題になるとコワモテの顔をほころばせるほどの大好物だ。

 実はゴメスの母国・ドミニカ共和国でもマグロ漁は盛んで、ゴメスにとってもマグロは慣れ親しんだ食材だった。その上で、すしや鉄火丼など日本流の調理法に「こんなうまいマグロがあるのか」と大感激。すっかり和風マグロ料理のとりこになってしまったのだ。

 借金を完済した和田監督は「どうしても借金があると雰囲気が重くなってしまう。もう借金生活はしない」と力強く宣言した。これから夏本番。ゴメスも「体調管理をしっかりしたい」と上位進出のためにマグロでしっかりとパワーアップするつもりだ。