オリックスの勢いが止まらない。1日の楽天戦(京セラドーム)は8―5と逆転勝利。これで同カードは負けなしの9連勝だ。

 5回に伊藤の2点タイムリーで逆転すると、6回には無死一、二塁から糸井の特大の9号3ランが飛び出して試合を決めたが、陰の殊勲者はウィリー・モー・ペーニャ外野手(32)だ。4回、美馬の140キロのストレートが左手首に直撃。この死球に、温厚な性格のペーニャが珍しくマウンドに向けて怒りをあらわにし、両軍入り乱れて一触即発ムードになった。

 打線は、それまで美馬に2安打に抑えられていたが、そこからムード一変。続くT―岡田が追撃の12号2ランを放つなど、その後の波状攻撃につながった。Tが「僕のホームランよりもペーニャが出塁してくれたからベンチ全員で戦う姿勢に改めてなれた」と言えば、他のナインも「ペーニャの怒りで雰囲気が変わった。ふだん怒らないペーニャがあそこまで怒ったのは初めて見た。ビックリしたし、刺激になった」。

 2位・ソフトバンクに2・5ゲーム差をつけた首位・オリックス。ペーニャは「特に感情を表したというより、何度も当てられているから。折れたら終わりだからね」と言いながらも「チームは家族。(Tが)それで打てたと言ってくれるならうれしいよ」とニンマリだった。