<広島6-0DeNA(27日)>エースが気迫の力投でチームを再び波に乗せた。広島・前田が27日のDeNA戦(横浜)に先発。7回を3安打無失点で今季7勝目。毎回の9奪三振をマークする力投でチームを6連勝へと導いた。打線も5回に前田の女房役を務めた倉、8回には岩本が一発を放つなど、背番号18を強力に援護。リーグ戦再開となった大事な初戦でもコイの勢いは止まらない。このまま白星を積み重ね続け、交流戦で喫した“9連敗の悪夢”を払拭したいところだ。 

 エースの貫禄を満天下に見せつけた。先発マウンドに立った前田は初回からエンジン全開。切れ味鋭いスライダーを主体にDeNA打線を圧倒した。

 2回先頭の後藤に内野安打を許すも、続くバルディリスを三塁併殺打に仕留め、危なげなく自分のリズムを保ち続けた。

 圧巻だったのはキューバの至宝・グリエルを「2K」に切って落としたそれぞれのシーン。初回二死、4回二死といずれも追い込んでから4球目にスライダーを投じ、三振を奪った。両打席ともマエケンに完敗したグリエルは驚きの表情を浮かべ、球審を見ながらあぜんぼうぜんだ。

 そんなエースの好投を打線も援護。「入るとは思わず全力疾走してしまったよ」と本人も苦笑いした倉の1号ソロなどで6回までに4点を奪い、相手先発の井納をマウンドから引きずり降ろした。

 前田が降板後の8回には代打・岩本が勝負を決定づける2号2ラン。これでチームは6連勝。前田自身もエースの役割をキッチリと果たし、バリントンに並ぶチームトップタイの7勝目をつかんだ。

 この日は球宴のファン投票最終結果が発表され、広島勢からは8選手が選出。前田も先発投手部門でトップに輝き、出場メンバーに選ばれた。自らの快投も加わって忘れられないハッピーメモリアルデーとなったはずだ。