阪神が“大谷ショック”を力に変えようとしている。

 18日の日本ハム戦(甲子園)で虎打線は大谷翔平(19)に手も足も出ず8回1安打無得点、打者24人で料理された。直球は160キロを2度マークし、鋭いスライダーやフォーク、カーブもきっちり制球された投球内容にはプロ16年目のベテラン・新井貴も「あの若さであそこまでのポテンシャルを持つ投手は見たことがない」とうなるしかなかった。

 そんな中、チーム内からはむしろ「大谷のおかげで乗っていける」との声が上がっている。普通ならばショックを引きずってもおかしくない結果のはずだが、ある主力選手も「あれで吹っ切れたというのがある」と明るい表情で話す。どういうことか。チーム関係者がこう説明する。「あの日の大谷はとにかくすごかった。みんな舌を巻いたよ。ただ、逆にアレを見てしまえば、他のどんな投手も“格下”にしか感じられない。打席で“大谷に比べればたいしたことがない”と思えるってことだよ」

 20日、甲子園での全体練習を見守った和田監督は、21日の楽天エース・則本との対戦に向けて「そういう投手を打ち崩すと力がついてくる。チーム自体も盛り上がってくる」と話したが、野手陣は剛腕・大谷にやられたことで、いい感じに開き直れたということか。

 敗戦もプラスに変える超ポジティブ思考。虎ナインは今後の戦いにおける“大谷効果”を信じているが、どうなるか。