ど真ん中に投げろ。楽天のドラフト1位左腕・松井裕樹(18)に恩師から原点回帰を促すアドバイスが送られた。

 4月23日の西武戦以来、約2か月ぶりの先発となった19日の広島戦(マツダ)は4回3安打5四球3失点KO。初回こそ三者凡退に抑えたが、2回以降は課題とされた“ノーコン病”が目を覚ましてしまい「セットでコントロールがばらついた」と左腕は肩を落とした。

 悩める松井裕に中学時代の恩師である横浜青葉緑東シニアの中丸敬治監督は「二軍では楽に投げられるのに、一軍では打たれるのが怖くてかわしの投球をして自滅している。打たれてみないと自分の力も分からない。自分の自信のある球でストライクゾーンで勝負してKOされた方が今後のためになる」と直球と宝刀スライダーでの真っ向勝負指令を出した。

 松井裕はこの日までの先発5戦で計21被安打と1試合平均4・2被安打だが四球は5戦で28個。中丸監督が「四球では野手が防ぎようがない。同じ走者を出すのならヒットの方がいい」と言うのも至極当然だ。

 佐藤義則監督代行も「ヒットを打たれていないので何とも言えない」と松井裕の自滅にお手上げ。次回登板は「これから考える」と持ち帰ったが、いつまでも同じことを繰り返しても意味はない。

 この日の直球は最速149キロ。それにしても「腕を振ってストライクで勝負しろ」という助言は、投手にとってはキャリアの最初で言われるアドバイス。原点回帰の言葉しか見つからないほど、松井裕の現状は厳しい。