三塁で復帰することが濃厚となった阪神・西岡剛内野手(29)に対してロッテOBの本紙評論家・得津高宏氏が「虎の長嶋茂雄」になる資質を秘めていると断言した。

 19日、和田監督はリーグ戦再開の27日にも一軍復帰する西岡の守備位置について「(三塁の)準備をしておいてくれ、というのは伝えてある」と明かした。西岡は3月30日の巨人戦の守備中に福留と激突し、長期離脱。その間に上本が二塁に定着した。このため和田監督は「三塁・西岡」を検討しており、18日の楽天との二軍戦では三塁でフル出場している。

 ただ、プロ1年目から二遊間を本職としてきた西岡が三塁守備を経験したのは昨年の7試合のみ。“不慣れ”なポジションでの復帰となるが、得津氏はまず三塁手としての適性について「肩も申し分ないし、強弱の差が大きい三塁の打球にも反応できる」と、西岡の高い身体能力があれば十分に対応可能と評価した。

 さらに、性格も“三塁向き”と指摘する。「目立つのが好きな性格。(遊撃手の)鳥谷の正面のゴロを横から走ってきて捕るなど『魅せる守備』をしてくれるはず。長嶋茂雄さんのような三塁手になれる」。長嶋氏といえばランニングスローをはじめとする華麗なプレーでチームを鼓舞し、ファンを魅了した名手だ。

 プラス効果はまだまだある。得津氏は「打率も上がるでしょう。二塁と三塁では負担が違うから、打撃に集中できる。それに体力的にも楽になる。二塁では“10”疲れていたのが“7”くらいになるイメージ。西岡はどうしてもシーズン中にへばって調子を落とすことがあるが、三塁ならそういうことも少なくなるだろう。負担が減る分、選手寿命も長くなる」と解説する。

 西岡も「今の一軍に僕のポジションはないと思っている。チャンスをもらえるように頑張るだけ」と強い決意を抱いており、新ポジションでの再スタートに燃えている。