<ヤクルト2-7ソフトバンク(19日)>ソフトバンクは19日、豪快な一発攻勢でヤクルトを圧倒し、交流戦逆転Vへ望みをつないだ。まずは鷹の4番・李大浩が10号ソロで口火を切ると、吉村は2号2ラン。5回には細川が3号3ランを逆方向に叩き込み、ツバメ投手陣を粉砕した。投げてはエース・摂津が復帰後では最長となる7イニングを2失点に抑え、今季5勝目をマーク。完全復活への兆しを見せた。

 鷹打線が神宮球場の夜空に花火を豪快に打ち上げた。一発攻勢の口火を切ったのは4番・李大浩だ。3回、ヤクルト先発・石川の甘く入った直球を完璧にとらえた。打球は高々と舞い上がり、左翼席中段に飛び込む先制の10号ソロとなった。

 6月に入って以降、2度の1試合4安打をマークしているが、最近の5試合は20打数2安打。この試合が始まる前までは14打席連続ノーヒットと、当たりがぱたりと止まっていた。だが第1打席の中前打でトンネルを抜けると、2打席目には9試合ぶりにアーチをかけた。鷹の主砲は「久々に自分らしい会心のホームランだね。いい先取点になったと思うよ」と笑みを浮かべた。

 李大浩に続いたのが吉村だ。4回無死一塁から2号2ランを左中間スタンドに突き刺した。試合の主導権を完全に奪い取る効果的な一発に「少しスイングを崩されたけど、しっかり粘って振り抜きました」。5回二死一、三塁では、細川が石川のスライダーをとらえ、右中間スタンドに突き刺す。「打球の方向が方向だけに、スタンドに入って自分が一番びっくりしています」。打った本人も驚く逆方向へのホームランで、ツバメにとどめを刺した。

 大量援護に守られ、先発のエース摂津も尻上がりに調子を上げた。初回に二死満塁、2回にも二死二、三塁のピンチを招くなど序盤は苦しんだ。ここを乗り切ると本来の摂津らしさが戻ってきた。

 6、7回に2本のソロを浴びて失点したが、右肩の筋疲労からの復帰後では最長となる7回を投げ7安打2失点。このところ増加傾向にあった四球も、この日は1つだけだった。バレンティン、畠山らが不在だったとはいえ、危なげない投球で5勝目を挙げた。

 これでリーグ首位のオリックスまで2ゲーム差。交流戦首位の巨人まで1・5ゲーム差とした。逆転Vの可能性がわずかでも残っている限り、鷹は最後まで諦めずに全力で戦う。