広島の野村祐輔投手(24)が18日の楽天戦(マツダ)に先発し、7回1失点で4月22日以来、約2か月ぶりに4勝目を挙げた。不振による二軍落ちを経ての白星に「初回はよくなかったが(捕手の)倉さんに『投げ急ぎがあったのでもっとゆっくり投げていいぞ』と言われて、うまく修正できた。やっと、自分の思い描いたピッチングができた。次はもっと長い回を投げられるようにしたい」と手応えを口にした。

 球団サイドは、そんな野村にドラフト1位ルーキー・大瀬良大地投手(23)の“アドバイザー役”も期待している。シーズン序盤は5連勝を飾るなど順調だった大瀬良だが、6月7日のソフトバンク戦で2回途中10失点でKOされるなど、ここ4戦で勝ち星なしと停滞ムード。そこで「野村には大瀬良と同じ大卒のドラフト1位で入って新人王を取った経験がある。野村も1年目に開幕から2か月くらいたって疲れから不調になり、勝てなくて苦しんだ時期があった。その時、どう乗り切ったかのノウハウを大瀬良に教えてもらいたい」(チーム関係者)という。

 キャンプでこそ、野村は大瀬良にプロとしての過ごし方について助言を送るなどしていたが、自分自身が不調で二軍調整となり、最近は“直接指導”の機会がなかった。だが、それも今回、復帰勝利を挙げたことで心に余裕もでき、大瀬良にアドバイスも送りやすくなるはず、と球団サイドはみている。

 2位に浮上した広島だが、首位・巨人追撃に大瀬良の復調は欠かせない。新人王の“先輩”野村のこれも重大任務だ。