巨人が17日のオリックス戦(東京ドーム)に8―0と大勝し、7連勝で2年ぶりの交流戦優勝へ大きく前進した。今季両リーグトップの9勝を挙げている相手先発の西勇輝(23)に、12安打を浴びせてKOに成功。その後も手を緩めず16安打の猛攻で強さを見せつけた。そんなチーム内で話題となっているのは「巨人に一番必要な助っ人は誰なのか」。圧倒的支持を集めているのは“あの男”だという――。

 相手先発の西は、この日の試合前時点で両リーグ単独トップの9勝を挙げ、防御率も1・08という圧倒的な数字を誇っていた。しかも先発した11試合すべてで6回以上を投げ、2失点以下に抑えていた。

 そんな好投手を相手に始まった試合は、0―0の3回に巨人先発の杉内が一死から平野恵へ頭部死球を与え、危険球退場。巨人ベンチには暗雲が垂れ込めた。だが2番手・笠原が見事なリリーフで嫌な流れを断ち切ると、4回に打線が西に襲いかかった。

 まずは二死一、二塁で長野が右翼フェンス直撃の三塁打を放って2点を先制。そしてその長野が試合後、自分の適時打以上に「すごくうれしかった」と振り返ったのが、続くホセ・ロペス内野手(30)の中前適時打だった。今季初めて3点を失った西はこれでパニック状態に。勢いづいた巨人打線は、5回に阿部の3ランで西にとどめを刺した。

 試合後は長野以外からも「ロペスが打ってくれたことが大きかった」という声が相次いだ。アンダーソンの活躍とセペダの加入で今季は出番が減っているロペスだが、同僚ナインの支持率は実は助っ人の中で最も高い。

 打率1割台のセペダは“論外”だが、この日5試合ぶりに安打を放ったアンダーソンについても、ある主力選手は「最近は安打も引っ張りばかり。極端なシフトを敷くチームも出てきたし、穴を見破られてきた感がある」と先行きを不安視している。

 一方、ロペスについては「打撃の状態はキューバの2人よりいいし、守備も安定している。チーム2冠(14本塁打、34打点)の選手が『9番』というのもね。長いシーズンを考えれば、頼りになるのはロペス。腐らせたらもったいない」(同主力選手)と、首脳陣の起用方針に疑問を呈するほどなのだ。

 そのロペスは4試合ぶりのスタメン起用にも「どんな状況でもやることは変わらない。僕は毎日同じアプローチで準備するだけさ」と優等生コメントを残したが…。

 助っ人野手トリオをどうやりくりするかは、今季の巨人が抱える難題の一つ。DH制もなくなる交流戦後、原監督が出すのはどんな答えか。