ソフトバンクの安打製造機・内川と、左腕エース・大隣が復帰を見据えて調整を進めている。いずれも復帰予定は交流戦後。チームは交流戦を大の得意とする一方で、リーグ戦再開後の戦いに苦戦する傾向がある。2人の一軍復帰が大きな力となることが期待されている。

 内川は17日、西戸崎合宿所でフリー打撃を行い「打つ方は100%。あとは全力で走れるかどうかですね」。5月26日に右大臀筋の肉離れで戦線離脱した。現在は痛みも和らいではいるが、首脳陣は「戦力という意味で言えば、すぐにでも戻ってきてほしいが再発が一番怖いからね」(小川ヘッドコーチ)と慎重な姿勢。復帰は交流戦後となる予定だ。

 同じく一軍復帰に向けて調整を進めているのが、黄色靭帯骨化症からの復活を目指す左腕エース・大隣。現在は「一日でも早く上がりたいという気持ち」。次回登板はウエスタン・オリックス戦(22日、豊中)の予定で、7月8日からの9連戦での昇格が濃厚だ。

 そんな2人には重要な任務が待っている。交流戦後の“起爆剤”という役割だ。チームは現在、通算5度目となる交流戦Vにわずかな可能性を残しているが、むしろ心配なのは交流戦後。「優勝が結果としてついてくるぶんにはいいけど、それよりもリーグ戦に戻ってからどう戦うかだからね。どうしても苦戦している傾向もあるしね」(チーム関係者)

 過去9年間の交流戦で12球団断トツとなる51もの貯金をつくっているソフトバンクだが、ここ数年はリーグ戦再開後に苦戦する傾向が出ている。秋山監督が指揮した過去5年では、直後の10試合で勝ち越したのは1度(2009年)だけ。昨季も交流戦Vで弾みがついたはずが、直後のリーグ戦で3勝7敗と負け越し、そのまま勢いに乗り切れずにBクラス(4位)に甘んじてしまった。

 だが、今季は投打の柱が復活すれば戦力アップはもちろん、チームに勢いが生まれる。ここまで旗色が悪い交流戦直後の戦い。V奪回にもつながる重要なカギを内川と大隣は握っている。