広島の連敗がようやく9で止まった。15日のロッテ戦(QVC)に8―5で勝利した。3点を追う7回に主砲のブラッド・エルドレッド内野手(33)が逆転の21号満塁アーチ。劇的な一発に野村監督は「一番いいところで打ってくれた」と安堵の表情を浮かべた。

 ナインも首脳陣もスタンドの“パワー”に感動、感謝している。この日のQVCマリンフィールドには2万7833人の観客が詰め掛けたが、三塁側から左翼スタンドにかけてはほとんど赤ヘルファン。連敗中のナインを鼓舞しようと、その声援は半端ではなく「敵地でここまで歓声がすごかったのは珍しい。去年の甲子園でのクライマックスシリーズ(ファーストステージ)に匹敵するほどだった。(ファンの声援に後押しされて)阪神に勝った時のことを思い出した。(みんなが)これに応えなければ、という雰囲気になった」(チーム関係者)からだ。

 エルドレッドが「すごい応援をしてくれてありがたい。ファンを愛している」といえば、緒方野手総合コーチも「(勝因の)一番はファンの方の応援。声をからして声援を送ってくれた。一体になって勝つことができた」。6・15連敗脱出。赤ヘルには忘れられない日になった。